ビジネス文書やメールを書いていて、「弊社」「貴社」「御社」どれを使えばいいか迷ったことはありますか?
3つの言葉はどれも会社を指す言葉ですが、「自分の会社か、相手の会社か」「書き言葉か、話し言葉か」によって使い分けが必要です。
この記事では、弊社・貴社・御社の使い分けを図・表・例文でわかりやすく整理します。業種別の呼び方や「当社」との違いも合わせて確認しましょう。
弊社・貴社・御社の使い分けを一覧表でまず確認
3つの言葉の基本的な違いを表で比べます。
| 言葉 | 指す対象 | 書き言葉 | 話し言葉 | 主な使用場面 |
|---|---|---|---|---|
| 弊社 | 自社(自分の会社) | 〇 | 〇 | 社外向けの文書・メール・会話 |
| 貴社 | 相手の会社 | 〇 | × | ビジネスメール・履歴書・手紙 |
| 御社 | 相手の会社 | × | 〇 | 面接・電話・商談・口頭会話 |
| 当社 | 自社(自分の会社) | 〇 | 〇 | 社内文書・自社PR・広告 |
「弊社」の正しい使い方と例文
「弊社」は自分の会社を謙遜して指す謙譲語です。社外の相手に対して、自社を丁寧に表現するときに使います。書き言葉・話し言葉どちらでも使えるのが特徴です。
- 社外へのビジネスメール・手紙
- 取引先・顧客との商談・会話
- プレスリリース・提案資料(社外向け)
- 採用活動での応募者対応
- 電話応対(外部からの問い合わせ対応)
「弊社」を使った例文
- 「弊社では〇〇サービスをご提供しております。」
- 「弊社担当者よりご連絡差し上げます。」
- 「この度は弊社をご利用いただき、誠にありがとうございます。」
- 「弊社の製品についてご質問がございましたら、お気軽にお知らせください。」
- 「弊社では現在、〇〇ポジションの採用を行っております。」
「弊社」と「当社」の違い
- 弊社:謙遜のニュアンスが強い。社外の人に対して使う丁寧な表現
- 当社:中立的な表現。社内向け文書・広告・会社案内・ウェブサイトなど幅広く使える
- 社外の取引先へのメールや会話では「弊社」がより丁寧な印象を与える
- 自社の広告や採用ページでは「当社」が自然な場合も多い
「貴社」と「御社」の正しい使い方と例文
「貴社」「御社」はどちらも相手の会社を指す言葉ですが、書き言葉か話し言葉かで使い分けます。「貴(き)」は漢字で書く文書向け、「御(おん)」は口頭で発音しやすい話し言葉向けです。
「貴社」を使う場面と例文(書き言葉)
- ビジネスメール・手紙・礼状
- 履歴書・エントリーシートの志望動機
- 見積書・提案書・報告書
- 面接後のお礼メール
- 「貴社のご発展を心よりお祈り申し上げます。」
- 「貴社からのご連絡をお待ちしております。」
- 「貴社のサービスに大変興味を持っております。」
- 「貴社製品の品質に感銘を受けました。」
「御社」を使う場面と例文(話し言葉)
- 就職・転職面接
- 電話での商談・問い合わせ
- 展示会・商談会での会話
- 口頭でのプレゼンテーション
- 「御社の〇〇サービスについてお聞きしたいのですが。」
- 「御社に入社できましたら、〇〇の経験を活かして貢献したいと思います。」
- 「御社の取り組みに共感しており、ぜひ一度お話を聞かせていただけますか。」
- 「御社の強みはどのような点にあると社員の方はお考えですか?」
業種別の正しい呼び方一覧(弊社・貴社・御社の代わりに使う言葉)
相手が一般企業でない場合は「貴社」「御社」は使えません。業種に応じた正しい呼び方を使いましょう。
| 相手の種類 | 書き言葉(メール・文書) | 話し言葉(面接・口頭) | 自社の言い方 |
|---|---|---|---|
| 一般企業 | 貴社 | 御社 | 弊社・当社 |
| 銀行・証券・保険 | 貴行 / 貴社 | 御行 / 御社 | 弊行 / 弊社 |
| 官公庁・行政 | 貴庁 | 御庁 | 弊庁・当庁 |
| 大学・専門学校 | 貴学 / 貴校 | 御学 / 御校 | 弊学 / 本学 |
| 高校・中学・小学校 | 貴校 | 御校 | 本校 |
| 病院・クリニック | 貴院 | 御院 | 当院・弊院 |
| NPO・公益法人 | 貴団体 / 貴法人 | 御団体 / 御法人 | 弊団体 / 当法人 |
| 店舗(小売・飲食) | 貴店 | 御店 | 弊店・当店 |
弊社・貴社・御社の使い分けでよくある間違い
社内メールで「弊社」を使うのは不自然
「弊社」は社外の人に向けて使う謙譲語です。同じ社内の同僚・上司に向けたメールや連絡で「弊社」を使うと不自然な印象になります。社内では「当社」か具体的な社名を使いましょう。
メールで「御社」を使うケース
「御社」は話し言葉専用です。ビジネスメールの文中で「御社」と書くと、書き言葉のルールを理解していないと思われる可能性があります。メールでは「貴社」に統一しましょう。
1つの文書の中で「弊社」と「当社」を混在させる
同じ文書の中で「弊社」と「当社」が混在すると読みにくい文書になります。社外向け文書なら「弊社」、社内向け・広報資料なら「当社」と統一してください。
コピペで使えるビジネスシーン別テンプレート
社外向けビジネスメール(弊社・貴社セット)
株式会社〇〇 〇〇部 田中様 お世話になっております。〇〇株式会社の〇〇でございます。 このたびは貴社〇〇の件について、弊社よりご提案させていただきたく、 ご連絡差し上げました。 ご都合のよろしい日程をご教示いただけますでしょうか。 何卒よろしくお願い申し上げます。
面接での自己紹介・志望動機(御社使用)
御社の〇〇事業に強い関心を持っており、本日は面接の機会をいただき ありがとうございます。 前職では〇〇の経験を積んでまいりました。 御社でその経験を活かし、さらなる成長を目指したいと考えております。
提案書・見積書のヘッダー(弊社・貴社セット)
貴社のますますのご発展をお慶び申し上げます。 平素より弊社製品をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。 この度、貴社のニーズにお応えする提案をご用意いたしましたので、 ご確認いただけますと幸いです。
弊社・貴社・御社の使い分けに関するまとめ
弊社・貴社・御社の使い分けは「誰の会社か」「書き言葉か話し言葉か」で決まります。 弊社は自社を指す謙譲語で、書き言葉・話し言葉どちらでも使えます。 貴社は相手の会社を指す書き言葉専用、御社は話し言葉専用です。 銀行・学校・病院など業種によって「貴行」「貴校」「貴院」と呼び方が変わります。 3語の使い分けをマスターすると、ビジネスシーンでの信頼感が確実に高まります。
