MENU

差入書と覚書の違いとは?念書・合意書との違いも一覧表で徹底解説【テンプレ付き】

「この内容、差入書にすべきか覚書にすべきか……」と悩んだことはありませんか?

契約や約束ごとを文書化するとき、「差入書」「覚書」「念書」「合意書」「確認書」といった言葉が飛び交いますよね。どれも似たようなニュアンスに見えますが、法的な性質や使いどころは異なります。

間違った文書形式を選ぶと、後のトラブルで「その書類は有効なのか」という議論が起きてしまいます。この記事で違いをしっかり整理しておきましょう。

目次

差入書と覚書の違いを比較表で確認する

まず2つの文書の本質的な違いを表で見ておきます。最大の違いは「署名・押印するのが一方だけか、双方か」です。

項目 差入書(さしいれしょ) 覚書(おぼえがき)
性質 一方的な義務・誓約・承諾の表明 双方の合意内容の記録
署名・押印 差し入れる側のみ 両当事者が署名・押印
書面の保管 受け取る側(相手方)が保管 双方がそれぞれ1部ずつ保管
法的拘束力 差し入れる側が義務を負う 記載内容・状況による
主な用途 秘密保持誓約、駐車場賃貸条件の承諾 契約の補足・変更・条件確認

差入書とは何か:一方が相手方へ提出する誓約文書

差入書は、一方の当事者が相手方に提出する文書です。義務・誓約・承諾を一方的に示す形式で、署名・押印するのは差し入れる側だけです。

相手方はその内容を確認・受領するだけで、書類に署名しません。ビジネスの現場では、立場の差があるシーン(雇用主と従業員、貸主と借主など)でよく使われます。

差入書が使われる主なシーン

  • 秘密保持に関する差入書(従業員が会社に差し入れる)
  • 駐車場賃貸の差入書(借主が貸主に差し入れる)
  • 誓約書に代わる差入書(取引先への行為保証)
  • 反社会的勢力でないことの差入書(取引開始時)
  • 個人情報取扱いに関する差入書(業務委託開始時)

差入書のビジネス例文(書類・会話で使える表現)

例文1:「入社に際し、秘密保持に関する差入書を提出していただきます。」

例文2:「駐車場を借りる条件として、貸主側から差入書の提出を求められました。」

例文3:「取引開始前に、反社会的勢力でないことを確認するための差入書を受け取っています。」

例文4:「業務委託先に、個人情報の管理方法について差入書を差し入れてもらいました。」

例文5:「差入書は差し入れる側のみが署名するため、覚書とは様式が異なります。」

覚書とは何か:双方が合意した内容を記録する文書

覚書は、当事者双方が合意した事項を文書で記録するものです。双方が署名・押印するため、一方的な誓約である差入書とは根本的に性質が違います。

契約書の内容を一部変更したり、補足条件を追加したりするときに「本契約書に付随する覚書として」という形でよく使われます。法的拘束力の強さは、記載されている内容と状況によって変わります。

覚書が使われる主なシーン

  • 契約書の変更・補足(既存契約の条件変更を記録する)
  • 業務委託の詳細条件の確認(本契約の附属書として)
  • 納期・支払い条件の合意記録
  • プロジェクト開始前の基本合意(正式契約前の暫定文書として)
  • 合弁・提携の基本条件整理

覚書のビジネス例文(書類・会話で使える表現)

例文1:「契約書の支払条件を変更するため、双方が署名した覚書を締結しました。」

例文2:「業務開始前に、役割分担と費用負担について覚書でまとめておきましょう。」

例文3:「本覚書は既存の業務委託契約書に附属するものとし、同契約書の一部を構成します。」

例文4:「覚書には双方の押印が必要ですので、原本を2部作成してください。」

例文5:「正式な契約書の締結前に、主要な合意事項を覚書として先行して取り交わすことにしました。」

差入書・覚書と混同しやすい文書の一覧比較

「念書」「合意書」「確認書」との違いもよく聞かれます。下の表で一気に整理しておきます。

文書名 署名者 性質 主な用途
差入書 差し入れる側のみ 一方的な誓約・承諾 秘密保持、条件承諾
覚書 双方 双方合意の記録 契約変更・補足・条件整理
念書 作成者のみ 一方的な意思・事実の記録 トラブル後の経緯記録、謝罪
合意書 双方 双方合意(契約書に近い) 紛争解決、条件変更
確認書 双方または一方 既存の事実・合意の確認 認識のすり合わせ

差入書と覚書に関する注意点・よくある間違い

覚書に法的拘束力はあるのか

「覚書は契約書より軽い」と思われがちですが、それは誤りです。タイトルが「覚書」であっても、当事者双方が署名・押印し、義務を規定した内容であれば、法的拘束力を持ちます。

差入書と念書の混同に注意

念書は主に作成者側が事実や経緯を記録する目的で使われ、相手に提出するというより手元に置くことが多い文書です。差入書は相手に「提出」する点が明確に異なります。

収入印紙が必要になるケースがある

覚書の内容が「金銭消費貸借に関する変更」や「請負契約の補足」に該当する場合、印紙税法上の課税文書になります。「覚書」というタイトルに関わらず、内容で判断されますので注意が必要です。

コピペして使えるテンプレート:差入書・覚書の基本書式

【差入書テンプレート】秘密保持に関する差入書

秘密保持に関する差入書

 株式会社〇〇 代表取締役 〇〇〇〇 殿

私は、貴社との業務委託契約に関し、以下の事項を誓約いたします。

1. 業務遂行を通じて知り得た貴社の機密情報を、第三者に開示・漏洩しません。
2. 機密情報を業務目的以外に使用しません。
3. 契約終了後も本誓約の効力は継続するものとします。

  令和  年  月  日

  住所:
  氏名:              印

【覚書テンプレート】契約変更に関する覚書

覚 書

株式会社〇〇(以下「甲」)と株式会社△△(以下「乙」)は、
令和〇年〇月〇日付 業務委託契約書(以下「原契約」)の一部について、
以下のとおり変更を合意する。

第1条(変更内容)
原契約第〇条の「〇〇〇」を「△△△」に変更する。

第2条(その他)
本覚書に定めのない事項は、原契約の定めによるものとする。

本覚書の成立を証するため、本書2通を作成し、甲乙各1通を保管する。

 令和  年  月  日

 甲 住所:
   会社名:       代表者:      印

 乙 住所:
   会社名:       代表者:      印

差入書と覚書の違いに関するまとめ

差入書は差し入れる側のみが署名する一方的な誓約文書、覚書は双方が署名・押印する合意の記録文書です。
差入書と覚書の違いを理解することで、場面に合った文書形式を選べるようになります。
念書・合意書・確認書も似た文書ですが、署名者の範囲と目的がそれぞれ異なります。
重要な契約に関わる場合は、弁護士や司法書士に書式の確認を依頼するのが確実です。

目次