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「承認」と「承諾」の違いとは?稟議・契約・依頼での正しい使い分けを解説

「稟議を承諾しました」「契約を承認いたします」——どちらかが不自然に感じますか?

「承認」と「承諾」は似た言葉ですが、使われる文脈が異なります。特に稟議・契約・依頼の場面では使い分けを間違えると、意図しないニュアンスを相手に伝えてしまうかもしれませんね。

この記事では2語の違いを整理し、稟議・依頼・契約それぞれの場面ですぐ使えるビジネスメールテンプレートを紹介します。

目次

「承認」と「承諾」の違いを一覧で比較

項目 承認(しょうにん) 承諾(しょうだく)
意味 権限を持つ者が正式に認めること 相手の申し出・依頼を受け入れること
主体 上位者・権限保有者(上司・取締役会など) 依頼を受けた側(対等または下位でも可)
関係性 上位者→下位者(縦の関係) 相手への同意(横・縦どちらでも)
ニュアンス 組織の意思決定・公式な許可 合意・受諾・了承のニュアンス
主な使用場面 稟議承認・アカウント承認・取締役会承認 契約の承諾・依頼の承諾・申し出への同意

「承認」の意味と使い方を正しく理解する

「承認」は、権限を持つ者が申請や行為を正式に認めることを指します。上位者が下位者に対して許可を与える、組織の意思決定プロセスで使われる言葉です。

「稟議の承認」「アカウントの承認」「取締役会での承認」など、組織・制度・権限に基づく正式な認可のニュアンスが強い言葉です。承認なしには進められない事項に対して使います。

「承認」が使われる主なシーン

  • 稟議書・申請書への承認(上司・役員が認める)
  • アカウント・システム利用の承認
  • 取締役会・委員会での決議・承認
  • 予算・経費申請の承認
  • 国・行政機関による認可・承認(建築確認承認など)

「承認」の例文4選(ビジネス・法務場面)

例文① 稟議の承認

「社内システム導入に関する稟議について、本日取締役会にて承認されましたのでご連絡申し上げます。」

例文② 予算申請の承認

「ご提出いただいた次期予算案を確認し、現状のまま承認いたします。」

例文③ アカウント・権限の承認

「申請いただいたシステムアカウントの承認が完了しました。ログイン情報をお送りします。」

例文④ 取締役会での決議

「本件については、先般の取締役会にて承認を得ており、実施に向けて準備を進めてまいります。」

「承諾」の意味と使い方を正しく理解する

「承諾」は、相手からの申し出・依頼・提案を受け入れることを指します。「承」=受け入れる、「諾」=はい・同意の意で、相手との合意形成のニュアンスが中心です。

上下関係に関わらず使えますが、特に「こちらが相手の提案・依頼に応じる場面」で自然に使われます。契約法においても「申込みへの承諾」は契約成立の要件のひとつです。

「承諾」が使われる主なシーン

  • 契約の申込みに対する承諾(売買・委託・業務委託など)
  • 依頼・お願い事への承諾(取材・登壇・協力など)
  • 申し出・提案への同意(日時調整・条件提示への返答)
  • 利用規約・同意事項への承諾(Webサービスの同意など)
  • 交渉・折衝の結果として相手の条件を受け入れる場面

「承諾」の例文4選(ビジネス・法務場面)

例文① 契約の承諾

「ご提示いただきました契約条件を確認し、内容に承諾いたします。正式な契約書のご手配をお願いできますでしょうか。」

例文② 依頼への承諾

「ご依頼の件につきまして、謹んで承諾申し上げます。詳細については改めてご連絡させていただきます。」

例文③ 日程・条件の承諾

「ご提案いただきました日程について承諾いたします。○月○日○時にお伺いします。」

例文④ 取材・登壇の承諾

「このたびのご登壇依頼について、喜んで承諾いたします。当日はよろしくお願いいたします。」

注意点・よくある間違いと判断のコツ

間違い①:稟議に「承諾」を使う

「稟議を承諾しました」は不自然です。稟議は組織の権限に基づく意思決定プロセスなので「承認」が適切です。

間違い②:契約の申込みに「承認」を使う

「お申込みを承認いたします」は、上位者から下位者への許可に聞こえ、対等な契約の場面では硬すぎることがあります。契約の申込みへの同意には「承諾」が自然です。

間違い③:「了承」との混同

「了承」は「了解・承知」のニュアンスで、権限に基づく許可や合意形成のニュアンスはありません。「承認」「承諾」より軽い同意・確認の場面に使います。

場面別・使い分けの判断基準

  • 稟議・申請・権限に基づく決裁 → 承認
  • 契約・依頼・提案への同意 → 承諾
  • 確認・了解程度の返答 → 了承

コピペで使えるビジネスメールテンプレート集

稟議承認の通知メール

件名:【稟議承認のご連絡】○○導入の件

○○部 ○○様

お疲れ様です。
先日ご提出いただきました○○の導入稟議について、
本日、決裁者の承認が完了いたしました。
引き続き実施に向けてよろしくお願いいたします。

契約条件への承諾メール

件名:ご契約条件の承諾について

○○株式会社 ○○様

お世話になっております。
先日ご提示いただきました契約条件を確認し、
内容に承諾いたします。
正式な契約書の作成をお願いできますでしょうか。
どうぞよろしくお願いいたします。

依頼への承諾メール

件名:ご依頼の承諾について

○○様

ご連絡いただきありがとうございます。
ご依頼の件につきまして、謹んで承諾申し上げます。
詳細な日程・条件については、改めてご連絡いたします。
引き続きよろしくお願いいたします。

承認と承諾の違いに関するまとめ

「承認」は権限を持つ者が正式に認めることで、稟議・申請・組織の意思決定の場面に使います。

「承諾」は相手からの依頼・申し出・契約を受け入れることで、合意・同意の場面に使います。

稟議には「承認」、契約・依頼への返答には「承諾」と覚えると、使い分けに迷わなくなります。

「了承」はより軽い確認・了解の場面に使い、承認・承諾と使い分けましょう。

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