「フリーランスや業務委託に興味があるけど、リスクが心配…」「正社員を続けるべきか、独立すべきか悩んでいる」という方は多いですよね。
請負(業務委託・フリーランス)と正社員は、どちらにも明確なデメリットがあります。どちらが優れているという話ではなく、自分のライフスタイル・価値観・スキルに合った選択をすることが重要です。
この記事では、請負と正社員それぞれのデメリットを具体的に解説し、最後に「どちらを選ぶべきか」の判断チェックリストでまとめます。
請負と正社員のデメリットを比較表で確認
まずは主要な比較ポイントを表で整理します。
| 比較項目 | 請負(業務委託・フリーランス) | 正社員 |
|---|---|---|
| 収入の安定性 | △ 案件次第で変動 | 〇 毎月固定給あり |
| 社会保険 | △ 全額自己負担 | 〇 会社と折半 |
| 有給休暇 | × なし | 〇 法律で保障 |
| 退職金・ボーナス | × 基本なし | 〇 企業によりあり |
| 確定申告 | △ 毎年必要 | 〇 年末調整のみ |
| 働く時間・場所の自由度 | 〇 高い | △ 会社のルールに従う |
| 転勤・異動 | 〇 基本なし | △ 会社の判断で発生 |
| 副業・兼業 | 〇 制限なし | △ 制限がある場合が多い |
| キャリアの自由度 | 〇 自分で決められる | △ 会社の方針に依存 |
| 収入の上限 | 〇 スキル次第で青天井 | △ 給与テーブルに縛られる |
請負(業務委託・フリーランス)のデメリット
請負・業務委託・フリーランスには自由な働き方というメリットがありますが、会社員が当たり前に受けている保護がほぼありません。具体的に見ていきましょう。
収入が不安定で途切れるリスクがある
請負の収入は「仕事が続いている間だけ」発生します。クライアントの都合でプロジェクトが終了したり、体調不良で稼働できなくなると、即収入ゼロになります。
- 案件が終了すると次の案件が見つかるまで収入がない
- 病気・ケガをしても傷病手当金が出ない
- 仕事量の繁閑により月収が大幅に変動する
- 単価交渉に失敗すると実質的な賃金が下がる
- 長期契約でも突然の打ち切りリスクがある
社会保険・年金の負担が大きい
正社員なら会社と折半できる健康保険・厚生年金の保険料を、請負では全額自己負担しなければなりません。保険料は収入の約15〜20%程度かかるケースもあり、手取りが思ったより少ないと感じる人も多いです。
- 健康保険:国民健康保険に自分で加入(保険料は全額自己負担)
- 年金:国民年金のみ(厚生年金に比べて将来の受給額が少ない)
- 雇用保険:対象外(失業しても失業手当が出ない)
- 労災保険:基本的に対象外(業務中のケガでも補償なし)
有給休暇・ボーナス・退職金がない
「稼働しない日は収入ゼロ」が基本です。休暇中も収入が続く正社員とは違い、休めば収入が減るプレッシャーを常に抱えることになります。
- 有給休暇:法律上付与されない(休んだ分は無収入)
- 賞与(ボーナス):契約に含まれていない限りなし
- 退職金:なし
- 育休・産休:制度としての保護がなく、収入も途絶える
確定申告・経理処理を自分でやる必要がある
正社員なら年末調整だけで済む税務処理を、請負では自分で行う必要があります。所得税・消費税(課税事業者の場合)・青色申告など、慣れるまで手間がかかります。
- 毎年2〜3月に確定申告が必要
- 売上・経費の帳簿管理を日々行う必要がある
- インボイス制度への対応(2023年〜)が求められるケースがある
- 税理士への依頼費用が発生する場合もある
社会的信用度が正社員より低い場合がある
ローンや賃貸契約の審査において、収入が不規則な請負は正社員より不利になるケースがあります。高収入のフリーランスでも、確定申告書がなければ収入の証明が難しいです。
- 住宅ローンの審査が通りにくいことがある
- クレジットカードの審査が厳しくなる場合がある
- 賃貸住宅の入居審査で不利になるケースがある
正社員のデメリット
安定・福利厚生・社会保険といったメリットが大きい正社員ですが、自由や収入の伸びしろという点では制約も多くあります。
転勤・異動・配置転換を断りにくい
会社の命令で勤務地や部署が変わる可能性があります。家族がいる場合や、特定のスキルを活かしたい場合に大きなデメリットになりますよね。
- 希望しない地域への転勤が発生する可能性がある
- 専門外の部署へ異動させられるリスクがある
- 断ると評価・昇進に影響することがある
- 家族の生活環境が大きく変わる可能性がある
残業・長時間労働を断りにくい雰囲気
法定労働時間を超えた残業は会社側の指示によって発生し、断りにくい職場環境も少なくありません。残業代が出ない「サービス残業」が横行している企業も存在します。
- 上司や同僚の目があり、先に帰りにくいことがある
- 繁忙期には長時間労働が常態化する職種もある
- 固定残業代制で実質的に残業代が出ないケースがある
給与の上限が見えやすく、大幅な収入増が難しい
正社員の給与は多くの場合、職種・等級・勤続年数に基づく給与テーブルで決まります。どれだけ頑張っても、評価が給与に反映されるまでに時間がかかることも多いです。
- 年収アップの幅が昇給・昇格に限られる
- 同じ仕事をする若手と給与差が出にくい会社もある
- 副業で収入を伸ばしたくても就業規則で制限される場合がある
- スキルが市場価値より低い給与で評価されることがある
人間関係・職場環境を選べない
フリーランスなら関わる人をある程度選べますが、正社員は上司・同僚・取引先が会社の都合で決まります。人間関係が合わない職場でも、すぐに離れることが難しいです。
- 苦手な上司・同僚でも毎日顔を合わせる必要がある
- 職場のハラスメントがあっても退職・転職には時間がかかる
- 社風や文化と自分の価値観が合わないストレスが続く場合がある
副業・独立への制限がかかることがある
多くの会社は就業規則で副業を制限しています。スキルを活かして副収入を得たい場合でも、会社の許可が必要な場合が多く、独立の障壁になることもあります。
- 副業禁止規定がある会社では収入源を増やしにくい
- 独立・起業の準備が制限される場合がある
- 競業避止義務があると退職後にも制限が続くことがある
請負と正社員のどちらを選ぶべきか|判断チェックリスト
向いている人の特徴をそれぞれチェックしてみてください。
請負(業務委託・フリーランス)に向いている人
- 市場価値の高いスキル・専門性がすでにある
- 収入の波があっても精神的に安定していられる
- 自己管理・スケジュール管理が得意
- 確定申告・経理処理を自分でこなせる(または学ぶ意欲がある)
- 特定の場所に縛られず働きたい
- 副業や複数の仕事を同時に進めたい
- 収入の上限を自分の努力で引き上げたい
正社員に向いている人
- 毎月安定した収入が生活上必要
- 住宅ローン・車のローンなど大型の借り入れを予定している
- 厚生年金・社会保険の充実した保障を重視する
- 組織の中でチームを組んで仕事をするのが好き
- スキルアップのための研修・教育制度を活用したい
- 育休・産休などの制度を将来的に使いたい
- まだ専門スキルを磨いている段階で収入を安定させたい
請負と正社員のデメリットに関するまとめ
請負と正社員のデメリットは、それぞれ表裏一体の関係にあります。 請負は自由度が高い反面、収入の不安定さ・社会保険の全額自己負担・確定申告の負担があります。 正社員は安定性が高い反面、転勤・残業・収入の上限・副業制限といった制約があります。 どちらが正解ということはなく、自分のスキルレベル・生活状況・価値観に合った選択が重要です。 チェックリストを参考に、今の自分にとって最適な働き方を判断してみてください。
