社内規程を整備しようとしたとき、「管理規程」と「運営規程」のどちらを作ればいいのか、または両方必要なのか迷うことはありませんか?
実は、この2つは「何を」「誰が」「どのように定めるか」という点で役割が異なります。規程の整備を担当する法務・総務担当者や管理職の方には、ぜひ押さえておいていただきたい区別です。
管理規程と運営規程の違いを一目で比較
「管理規程」の意味と作成例
管理規程とは、特定の資産・情報・人員などを「どのように管理するか」の方法・責任・手順を定めた社内規程です。
「管理」という言葉が示す通り、モノ・情報・人を適切にコントロールし、トラブルや漏洩を防ぐための規則です。コンプライアンスや情報セキュリティの観点でも重要度が高い規程です。
管理規程の主な種類:
- 個人情報管理規程:個人情報の収集・保管・廃棄の方法と責任者
- 文書管理規程:社内文書の作成・保存・廃棄ルール
- 情報セキュリティ管理規程:アクセス権限・パスワード・データ管理
- 備品管理規程:会社備品の貸出・返却・廃棄の手順
- 車両管理規程:社用車の利用申請・点検・事故対応
管理規程の文言例
- 「本規程は、当社の個人情報の適切な取り扱いを定めることを目的とする。」(個人情報管理規程 第1条)
- 「文書の保存期間は、原則として作成日から5年とする。」(文書管理規程 例)
- 「情報資産のアクセス権限は、管理責任者の承認を経て付与する。」(情報管理規程 例)

「運営規程」の意味と作成例
運営規程とは、委員会・会議体・施設・団体などを「どのように運営するか」の組織構成・意思決定・手続きを定めた規程です。
「運営」という言葉が示すとおり、組織や仕組みを円滑に動かすためのルールです。誰が何を決め、どのように進めるかを明確にすることで、スムーズな運営が実現しますよ。
運営規程の主な種類:
- 委員会運営規程:委員の選任・議決方法・開催頻度
- 施設運営規程:利用申請・開閉時間・利用マナー
- 会議体運営規程:出席要件・議事録・決議の効力
- 社員食堂運営規程:利用時間・清算方法・食数上限
- 介護施設運営規程:サービス内容・苦情対応・緊急連絡体制
運営規程の文言例
- 「委員会は、委員長1名・副委員長1名・委員若干名で構成する。」(委員会運営規程 例)
- 「施設の利用時間は平日9時から21時までとし、休日の利用は別途申請による。」(施設運営規程 例)
- 「議事録は会議終了後10日以内に作成し、委員長の承認を得て保管する。」(会議体運営規程 例)
管理規程と運営規程で間違えやすいポイント・注意点
間違い1)どちらも「規程」と「規定」を混同する
「規程」は文書全体のまとまり(規程集)を指し、「規定」は個別の条文・ルールを指します。「個人情報管理規程 第1条の規定」のように使い分けが必要です。
間違い2)管理規程と運営規程を1つにまとめてしまう
施設の管理(設備・保守)と運営(利用ルール・組織)は目的が異なるため、別々の規程として整備することが推奨されます。
間違い3)介護・保育施設での義務規程の混同
介護・保育分野では、法令により「運営規程」の整備が義務付けられています。この場合の「運営規程」は法定文書なので、「管理規程」と混同して作成すると不備になりますよ。
コピペして使える規程の文言テンプレート
管理規程の目的条項テンプレート
- 「本規程は、〇〇の適切な管理を目的として定める。」
- 「〇〇の管理責任者は、部門長とする。」
- 「〇〇の取り扱いに関し、本規程に定めのない事項は別途定める。」
運営規程の目的条項テンプレート
- 「本規程は、〇〇委員会の円滑な運営を目的として定める。」
- 「委員会は、代表取締役の承認を得て設置する。」
- 「委員会の議事は、出席委員の過半数の賛成をもって決する。」
管理規程と運営規程の違いに関するまとめ
管理規程と運営規程の違いは、「モノ・情報・人をどう管理するか(管理規程)」と「組織・施設・委員会をどう動かすか(運営規程)」という目的の違いにあります。
どちらも組織の透明性と効率性を高める重要な文書です。法令によって整備が義務付けられている業種では、特に両者の違いを意識して適切な規程を整備しましょう。
