年末から年明けにかけて、会社からいくつかの書類が手元に届きますよね。「年末調整の通知書」と「源泉徴収票」、どちらも年収や税金に関係する書類ですが、役割がまったく異なります。
確定申告の準備を始めたとき、「どっちを提出すればいいの?」と迷う方は少なくありません。転職した年や副業収入がある方は特にそうかもしれませんね。
この記事では、2つの書類の違いを比較表でわかりやすく整理したうえで、それぞれの見方・使い方を具体的に解説します。コピペで使えるテンプレートも掲載しているので、ぜひ参考にしてください。
年末調整の通知書と源泉徴収票の違いを一覧比較
まず、2つの書類の基本的な違いをパッと見でわかる比較表で確認しましょう。細かい解説は後述しますので、ここでは全体像をつかんでください。
※ 確定申告で提出・参照するのは「源泉徴収票」です。通知書は手元での確認用として保管しておきましょう。
年末調整の通知書とは?役割と見方を解説
年末調整の通知書は、会社が従業員に対して「年末調整の計算結果はこうなりましたよ」と伝えるための社内書類です。法律で発行が義務付けられているわけではなく、様式も会社ごとに異なります。
主に以下の情報が記載されています。
- 年間の給与総額と所得税の精算結果
- 扶養控除・配偶者控除・生命保険料控除などの適用状況
- 過不足税額(還付される金額、または追加徴収される金額)
- 12月給与や賞与への反映内容
「今年は〇〇円が還付されます」という情報が確認できるのが、この通知書の一番の役割かもしれませんね。ただし、あくまで社内での情報共有用です。
年末調整の通知書が届く・参照されるビジネスシーンの例
通知書が実際に活用されるのは、主に次のような場面です。
- 例1:12月の給与明細とともに通知書を受け取り、「今月の手取りがいつもより多いのは年末調整の還付分だ」と確認する。
- 例2:生命保険料控除の金額が正しく反映されているか、通知書で申告内容と照合する。
- 例3:扶養家族の変更(子どもが誕生した等)が年末調整に反映されているか確認する。
- 例4:住宅ローン控除の2年目以降の適用が正しく処理されているか確認する。
- 例5:追加徴収が発生した場合、通知書で理由(前年の扶養人数変更など)を確認する。
通知書は「確認用の書類」として手元に保管しておくのがおすすめです。確定申告には使いませんが、年末調整の内容に疑問が生じたときの参照資料になります。
源泉徴収票とは?確定申告での使い方を解説
源泉徴収票は、所得税法第226条に基づいて会社が必ず発行しなければならない法定書類です。翌年1月31日までに従業員へ交付することが義務付けられています。
記載されている主な情報は以下のとおりです。
- 支払金額(年間の総支給額)
- 給与所得控除後の金額(課税の計算ベースとなる金額)
- 所得控除の額の合計額
- 源泉徴収税額(1年間で天引きされた所得税の合計)
- 社会保険料等の金額、扶養親族の情報
確定申告書を作成するときは、この源泉徴収票に記載された数字をそのまま転記します。書類の紛失には十分注意が必要ですね。
源泉徴収票を使うビジネスシーン・実務シーンの例
- 例1:確定申告書の「給与所得の源泉徴収票」欄に、支払金額と源泉徴収税額を転記する。
- 例2:転職先の会社に前職の源泉徴収票を提出し、年末調整を合算してもらう。
- 例3:副業収入と本業収入を合算して確定申告するとき、本業分の源泉徴収票を申告書に添付する。
- 例4:住宅ローンの審査書類として、金融機関に源泉徴収票を提出し、年収を証明する。
- 例5:保育園・幼稚園の入園申請や奨学金の手続きで、収入証明として源泉徴収票のコピーを提出する。
源泉徴収票は確定申告以外でも、収入証明書として様々な場面で求められます。年明けに届いたら、すぐに保管場所を決めておくことをおすすめします。
注意点とよくある間違い
2つの書類に関して、実務上よくある誤解や失敗をまとめました。
よくある間違い5選
- 通知書を確定申告に提出しようとする:通知書は確定申告に使いません。申告に使うのは源泉徴収票のみです。
- 源泉徴収票が届く前に確定申告を進めようとする:源泉徴収票なしには正確な申告書を作れません。1月末までに届かない場合は会社に確認しましょう。
- 転職した年に前職の源泉徴収票を無視する:転職した年は2枚の源泉徴収票(前職分・現職分)が必要です。前職分を転職先に提出しなかった場合、確定申告が必要になります。
- 源泉徴収票を捨ててしまう:再発行は可能ですが手間がかかります。最低5年間は保管することをおすすめします。
- 電子交付の源泉徴収票に気づかない:ペーパーレス化が進む会社では、源泉徴収票がWEB給与明細サービス上に電子交付されているケースがあります。郵便で届かなくてもシステムを確認してみてください。
確定申告で使う書類の判断チャート
「今の自分の状況でどの書類が必要か」をすぐに確認できるチャートです。状況に応じて確認してみてください。
コピペで使えるテンプレート集
書類の請求や確認をする際に使えるメール・会話テンプレートをまとめました。そのままコピーしてご活用ください。
テンプレート①:源泉徴収票の再発行依頼メール(総務・経理宛)
○○部 総務担当者様
お世話になっております。△△部の【氏名】と申します。
令和○年分の給与所得の源泉徴収票について、紛失してしまいましたので、大変恐縮ですが再発行をお願いできますでしょうか。
確定申告(提出期限:○月○日)に使用するため、○月○日までにご対応いただけますと幸いです。
お手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
【氏名】
【社員番号】
【連絡先】
テンプレート②:前職の源泉徴収票を現職に提出する際の一言メモ
令和○年分の年末調整に関連して、前職(株式会社○○)発行の源泉徴収票をご提出いたします。
・前職在籍期間:令和○年○月〜令和○年○月
・源泉徴収票記載の支払金額:金○○○,○○○円
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
【氏名・所属・日付】
テンプレート③:確定申告に必要な書類チェックリスト
確定申告前に確認する書類リスト
年末調整通知書と源泉徴収票の違いに関するまとめ
年末調整の通知書は会社が任意で発行する社内確認用の書類で、確定申告には使いません。
確定申告で必ず使うのは、法定書類である「給与所得の源泉徴収票」です。
転職した年は前職・現職の2枚、副業がある場合は本業分の源泉徴収票に加えて収支記録が必要になります。
源泉徴収票は1月末までに交付されますが、届かない場合や紛失した場合は会社に再発行を依頼してください。
書類の種類と役割を正しく理解しておくと、確定申告の手続きがスムーズに進みますよ。
