紫外線と言えば、ガンガン太陽が照り付ける夏の快晴のときを思い浮かぶ方が多いと思います。
曇りの場合、太陽が雲で隠れて日が照っていないことから安心している方もいるかと思いますが、実は曇りの日でも相当な紫外線量が雲を通過して我々のもとへ届いているんです。このことを知識として知っておくことは、自分の肌を紫外線から守るためにもとても重要なことです。
今回は、紫外線とは何か、曇りの日の紫外線って晴れの日と比べてどうなのか、なぜ曇りの日こそ気を付けた方がいいのか、そしてその対策として日焼け止めの選び方についてご紹介したいと思います。
1.紫外線とは
まず紫外線って何なのか、どんな危険があるのかについて簡単に触れたいと思います。
太陽の光には、目に見える可視光線のほか、目に見えない不可視光線である紫外線、赤外線が含まれています。
このうち可視光線は、紫、藍、青、緑、黄、橙、赤の7色、いわゆる虹色で構成されています。
よく紫外線のことをUVと言いますが、これはUltra Violetの略で、「紫を超えた」という意味からきています。
紫外線は地球の表面に届く太陽光のうち、波長(nm ナノメートル)が一番短いものです。
出典:気象庁HP
紫外線の中でも波長の長さによってA、B、Cの3つに分かれます。
UV-C
大気層(オゾンなど)に吸収されるため地表には届きません。
UV-B
ほとんどは大気層(オゾンなど)で吸収されますが、一部が地表まで届き皮膚や眼にとって有害です。UV-Aに比べ100~1000倍近く有害性が強いといわれ、肌の表面(表皮)に大きな影響を及ぼします。そのため、このUV-Bを多く浴びると、日焼け、シミ、しわ、ソバカス、肌の乾燥など肌に悪影響があるだけでなく、皮膚がんや白内障などを引き起こす可能性が高くなります。
UV-A
波長が長いため天候に左右されず、年間を通して地表に届きます。UV-Bほど有害ではありませんが、長時間浴びると健康への悪影響が懸念されます。
UV-Bが肌の表面(表皮)に悪影響を及ぼすのに対し、UV-Aは長い時間をかけて肌の真皮まで浸透していき、肌のハリ・弾力を失わせていきます。
出典:紫外線環境保健マニュアル(環境省)
2.曇りの日の紫外線
快晴に比べて曇りの日だと
紫外線は雲によってある程度遮断されるものの、UV-AはUV-Bに比べて雲による影響を受けません。
また、人体にとって最も有害なUV-Bでも、快晴時を100とすると、薄曇りのときで約80%、曇りのときで約60%、雨が降っていても約30%の割合で地表に届いています。
曇りの日こそ気をつける理由
このように、曇りの日でも紫外線は結構な割合で地表に降り注ぐんですね。曇りだから大丈夫という油断がUV対策を怠る原因になっていると思うんです。
晴れの日はしっかりとUV対策をしているにもかかわらず、曇りの日にはおろそかにしていては元も子もないです。
曇りの日もしっかりとUV対策をしていきましょう。
季節ごとのUV対策については、「紫外線に気を付ける季節は?春・秋・冬でもUV対策は必要なの?」をご覧ください。
3.日焼け止めの選び方
UV対策としては日傘、つばの大きめの帽子、サングラスといった対策がありますが、ここでは日焼け止めの選び方についてご紹介したいと思います。
SPF・PAって?
日焼け止めには、SPF・PAの表記が必ずされています。
SPF(Sun Protection Factor)は、UV-B(肌の老化、皮膚がん、白内障などを引き起こす)に対する効果を示す数値で、数値が高いほど紫外線を防いでくれる時間が長いと言えます。日本の場合、SPF値は「50」までしか表示できないことになっているため、それ以上は「50+」と表示されるようです。
数値が高ければ高いほど肌にかかる負担は大きいので、日常生活レベルであれば、「10~20」くらいのものを選べばよいと思います。
外でスポーツをするレベルであれば、「20~40」、夏の炎天下での作業なら「30~50」のものを選ぶといったように、状況に合わせて使い分けるとよいと思います。
ただ、肌の弱い人や子供は、SPF値が低いものを選んで、こまめに塗っていく方が肌の負担も少なくて済むと思います。
PA(Protection grade of UVA)は、UV-A(真皮まで浸透し、シワ・たるみの原因となる)に対する効果を「+」で表示し、「+」が多いほど効果があります。「+」1つから4つまであります。
こちらも、SPF同様、状況に合わせて使い分けるとよいですね。
また、海やプールなどでは、水で流れ落ちないタイプ(ウォータープルーフ)の日焼け止めを選ぶとよいでしょう。
※日焼け止め商品をご覧になりたい方
まとめ
紫外線は目に見えないため、夏の暑い日差しが出ているときしか対策しないということが多いかと思います。
でも実は曇りの日でも紫外線は降り注いでいるんだということを知っておくと、肌の老化や健康被害から自分の身を守る対策をとることができます。
いつまでも若々しく健康でいたいですね!
