岐阜市の「ぎふ長良川鵜飼」は、全国的にもとても有名で、岐阜市の観光スポットとなります。
鵜飼は、「鵜匠」と呼ばれる人が、「鵜」という鳥を使って川を泳いでいる「鮎」を捕まえる漁法です。夜のかがり火の灯りのもとで、幽玄な世界を堪能できます。
長良川鵜飼をより楽しむために、10の豆知識をまとめてみました。これだけ知っていれば尊敬されるかも!?
1.長良川鵜飼は1,300年以上前からってホント!?
長良川鵜飼の歴史は古く、西暦702年の史料に鵜飼に関する記述があるそうです。1,300年以上も前からずっと受け継がれてきているってすごいことですよね。
時の権力者によって保護されながら、現在も変わらない伝統漁法で行われています。この「長良川の鵜飼漁の技術」は平成27年3月、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
2.あの織田信長も保護したってホント!?
戦国武将の超有名人、織田信長。
織田信長は、1567年から10年間、岐阜の地に居を構え、天下統一の足がかりにしました。諸説ありますが、この地名を「井口(いのくち)」から「岐阜」に変えたのも織田信長だと言われています。
その織田信長、客人をもてなすのに、鵜飼を活用していたんですね。武田信玄の使者に鵜飼を見せて接待したと「甲陽軍艦」という古文書に記載されています。
3.鵜匠は国家公務員ってホント!?
長良川鵜飼の鵜匠さんは、なんと国家公務員なんですね。これは意外ですよね。全国で鵜飼をやっている地域はいくつかありますが、国家公務員の地位を与えられているのは、ここ長良川鵜飼と、同じ岐阜県内の関市で行われている鵜飼の鵜匠さんだけなんですね。
2017年末現在、岐阜市では6名、関市では3名の鵜匠さんが国家公務員で、宮内庁に属しています。正式な職名は、「宮内庁式部職鵜匠(くないちょうしきぶしょくうしょう)」と言います。
4.鵜匠って世襲制ってホント!?
長良川鵜飼の鵜匠さんは、代々世襲制で長男が継ぐことになっています。ですから、女性の鵜匠というのはいないんですね。各鵜匠の家では、漁に連れていく鵜を飼っており、常日頃から鵜と一緒に生活をしています。なかなかこのご時世、世襲を続けていくっていうのは難しく、今後も長良川鵜飼を持続的な伝統文化あるいは観光資源としていくためには、後継者問題という課題が残っていると言えます。
5.天皇陛下も御観覧したってホント!?
長良川鵜飼は、尾張徳川家によって保護されてきましたが、明治維新とともに保護がなくなり、鵜飼の伝統漁法が消滅の危機になりました。明治23年、時の岐阜県知事の要請によって、当時の宮内省は鵜匠に職員の身分を与えるとともに、古津地区などに御料場を設置して、引き続き御料鵜飼として鵜飼を続けられるようにしました。年8回御料鵜飼を行い、採れた鮎を宮内庁に献上しています。
このように、皇室と長良川鵜飼の関係は深く、昭和37年(1962年)に昭和天皇、平成9年(1997年)に今上天皇皇后を迎え、天覧鵜飼が行われています。
6.鵜飼で使用する鵜は野生の鵜ってホント!?
長良川鵜飼で使用する鵜は、茨城県日立市で捕獲された海鵜なんです。川鵜に比べて体が大きく丈夫なためと言われています。捕獲された鵜は、鵜匠の家で2、3年かけて訓練して1人前に育て上げられます。鵜は非常に学習能力が高く、新しい環境に順応しやすい性格なんだそうです。
7.鵜飼で捕まえた鮎はその場で食べられないってホント!?
鵜飼で捕まえた鮎は高級品として扱われ、市場に出回ることはほとんどないそうです。近くの旅館やホテルで食べられる場合があるとのことです。
鵜が捕まえた鮎は、鵜の歯型が付いているのが特徴で、鮎を川の中で瞬殺するので、新鮮で美味しいと言われています。
普通の鮎と食べ比べをしてみたいですね。
8.長良川鵜飼は市直営ってホント!?
長良川鵜飼観覧船事業は、岐阜市が直営しています。赤字が続いており、運営体制の見直しも検討されているようです。
ちなみに、岐阜市以外で鵜飼を行っている地域は全国で10箇所ありますが、すべて民間で運営されています。
1,300年以上の伝統文化を保護するという側面もありますので、なかなか難しいところはあると思いますが、なんとか継続できる体制を検討してもらいたいですね。
日本で飼を行っている地域は11箇所(2017年末現在)。北から順に、
石和の鵜飼(山梨県笛吹市)
木曽川の鵜飼(愛知県犬山市、岐阜県各務原市)
小瀬の鵜飼(岐阜県関市)
長良川鵜飼(岐阜県岐阜市)
嵐山鵜飼(京都府京都市)
宇治川鵜飼(京都府宇治市)
大洲観光鵜飼(愛媛県大洲市)
三次鵜飼(広島県三次市)
錦帯橋の鵜飼(山口県岩国市)
筑後川鵜飼(福岡県朝倉市)
日田鵜飼(大分県)
※平成25年(2013年)までは12か所でしたが、和歌山県有田市の有田川鵜飼が、高齢化による後継者不足などの事情により開催を中断しています。
9.ユネスコ無形文化遺産登録を目指しているってホント!?
岐阜市では、ユネスコ無形文化遺産登録の申請に向けて、平成16年から取り組んでいるそうです。
長良川鵜飼文化応援団という市民団体も立ち上げて、官民一体で取り組んでいます。
また、中国の大理市というところとの共同申請も検討されているようです。
10.鵜飼観覧船の名前は岐阜市長が命名するってホント!?
毎年、新たに鵜飼観覧船が追加されますが、その鵜飼観覧船の名前は岐阜市長が命名しています。
2018年は新たに1隻追加され、柴橋新市長が鵜飼開き当日の5月11日に「清風丸」という名前をつけました。
ちなみに昨年2017年は、織田信長の岐阜入城・岐阜命名450年を記念して、「信長丸」という名前が付けられています。
また、2005年に秋篠宮さまが乗られた船は「秋雲丸」、2012年には皇太子さまが乗られた船は「迎鳳丸」と名付けられています。
まとめ
これだけ知っていれば、あなたも長良川鵜飼通として自慢できますよ!
観覧船の船頭さんによっては、裏話などもっと面白い話が聞けるかもしれません。色々気になることがあったら質問してみましょう。
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