夏の風物詩といえば、そうめん、ひやむぎですよね。
❝そうめんとひやむぎってどう違うの?❞
子供にそう聞かれたとき、あなたは答えられますか?
う~ん、なんとなくそうめんの方が細くて、ひやむぎの方が太いけど、本当にそれだけなのか?疑問に思いますよね。
そこで、そうめんとひやむぎのほか、うどんもこれらと似ている麺ということで、「そうめん・ひやむぎ・うどん」の3つの麺についてその違いをご紹介したいと思います。
1.原材料による違い
そうめん、ひやむぎ、うどん、すべて小麦粉に塩と水を混ぜて作ります。ですから、この3者に原材料(小麦粉・塩)による違いはありません。
ただ、あとでも述べますが、製法によって手延べそうめんは若干の違いがあります。というのは、手延べそうめんは小麦粉と塩と水を混ぜたものを「切る」のではなくて、細く「引き延ばして」作ります。その際に、ちぎれにくくするために食用植物油やでん粉を使います。
2.麺の太さによる違い
これは一見して分かりやすいと思います。そうめん、ひやむぎ、うどんを比較してみると、そうめんが一番細く、その次がひやむぎ、一番太いのがうどんだということがパッ見た感じでわかります。
ただ、これはしっかりと日本農林規格(JAS規格)の「乾めん類品質表示基準」に定められています。
第4条第1項第1号イによると、
手延べ干しめん以外の干しめんにあっては「干しめん」と記載すること。ただし、長径を1.7㎜以上に成形したものにあっては「干しうどん」又は「うどん」と、長径を1.3㎜以上1.7㎜未満に成形したものにあっては「干しひやむぎ」、「ひやむぎ」又は「細うどん」と、長径を1.3㎜未満に成形したものにあっては「干しそうめん」又は「そうめん」
と定められています。これは麺を機械で作った場合ですね。(機械製麺)
また、同条項号エによると、
手延べ干しめんにあっては「手延べ干しめん」と記載すること。ただし、長径が1.7㎜以上に成形したものにあっては「手延べうどん」と、長径が1.7㎜未満に成形したものにあっては「手延べひやむぎ」又は「手延べそうめん」
と定められています。これは手延べで作った場合ですね。
もっと分かりやすくまとめてみます。
機械製麺の場合は、直径が1.3mm未満のものをそうめん、1.3mm~1.7mmのものをひやむぎ、1.7mm以上のものをうどんと分類されます。
手延べの場合は、直径が1.7mm以上のものをうどん、1.7mm未満のものをそうめん又はひやむぎと分類されます。手延べの場合は、手作業ですので厳密な分類ではなくて、やや緩やかになっていますね。
手延べの場合、そうめんとひやむぎについては、太さによる違いはないといってよいでしょう。
3.製法による違い
そうめん、ひやむぎ、うどんはすべて機械で作る方法と、手延べで作る方法があります。
手延べ製法
まず、手延べで作る方法から説明しましょう。
「手延べ干しめん」についても定義があります。先ほどの「乾めん類品質表示基準」の第2条に記載してあります。
干しめんのうち、食用植物油、でん粉又は小麦粉を塗付してよりをかけながら順次引き延ばしてめんとし、乾燥したものであって、製めんの工程において熟成が行われたものであり、かつ、小引き工程又は門干し工程においてめん線を引き延ばす行為を手作業により行ったものをいう。
「ひやむぎ」と「うどん」は小麦粉に塩と水を混ぜて練ったものを延ばして切ります。この点について、ひやむぎとうどんは製法による違いはありません。
これに対して、「そうめん」は小麦粉に塩と水を混ぜて練ったものに、植物油又はでん粉を塗って、細長く引き延ばして作ります。「切らない」という点が、ひやむぎやうどんとの違いとなります。
機械製法
次に、機械で作る方法ですが、手延べと違ってそうめんでも切ります。
したがって、機械製法の場合、そうめん、ひやむぎ、うどんの3者に製法による違いはありません。
まとめ
手延べそうめんの場合は、植物油が塗られること、切るのではなく引き延ばして作るという2点の違いがありました。
手延べそうめんを除けば、そうめん、ひやむぎ、うどんは、原材料も同じ、製法も同じなので、結局麺の太さによる違いに帰着するかと思います。
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