「小1の壁」という言葉は、主に共働き世帯において、子供の放課後の時間をどうするかという問題で使われることが多いです。
もう少し具体的には、小学校は保育園や幼稚園とは異なり、夜遅くまで預かってもらうことができません。うちの子供は今年から小学校1年生ですが、通常は5時間目まで授業がありだいたい15時すぎ頃には帰宅してきます。
幸いうちは妻が在宅ワーキングをしていますので、学校が終わって家に帰ればママが迎えてくれます。うちのように外へ働きに出ていない家庭や、時短を取れる方は問題ありませんが、親がフルタイムで働いている場合、子供は放課後をどのように過ごせばいいのかという問題がいわゆる「小1の壁」と呼ばれるものです。
もっとも、「小1の壁」というときに、もう一つの意味で使われる場合があります。それは、保育園や幼稚園から小学校へ上がるという人生の節目ともいえる大きな環境の変化による、子供のメンタル面での多大なストレスです。
うちの場合は、先ほど書いたように放課後の時間的な問題は抱えておりませんので、今回はメンタル面での小1の壁について、うちの状況を紹介しつつ、克服するための方法などを書いていこうと思います。
1.娘の内弁慶な性格
うちの娘は、幼稚園のころから内弁慶な性格です。家では大きな声で元気いっぱい踊ったり走り回ったりするし、親にも言いたいことは言うし、泣きわめくし、弟と喧嘩はするしで、とにかくパワーが有り余っている感じです。
ところが一歩外へ出て、他人と関わると急に大人しくなってしまいます。幼稚園でもあまり自己主張せず言いたいことでもグッとこらえるところがありましたし、自分から積極的に友達を作りにいくタイプではありません。
小学校に入っても、多少改善はされましたが、なかなか学校に馴染めずにいました。
2.登校拒否の予兆
6月に入り、娘は風邪をよく引くようになりました。結局6月は半分くらいしか学校に行けませんでした。幼稚園のときは、3年間通ってほぼ皆勤賞だったにもかかわらずです。
これより少し前に、娘は学校に行くのが嫌だと言い始め、朝の集団登校の場所へ行くのに激しく抵抗するようになりました。朝から泣きわめき、妻が無理やり学校まで連れて行くという日々が続きました。時には教室の中まで連れて行ったようです。
こうした状態がしばらく続き、無理やり行かせるのがいいのか、そこまで嫌なら休ませた方がいいのか、正直悩みましたが、娘の甘えのような部分も感じられましたので、とりあえずは無理やりでも行かせることにしました。
ただ、学校から帰ってくると意外とケロっとしているところは子供だなぁという感じはしましたね。
結局、不登校にはならず、夏休み前には一人で行けるようになるまで改善しました。今から思えば、子供にとっては小学校へ行くという行為自体がものすごくストレスになっていたのだと思います。
次にストレスになる原因について考えてみます。
3.子供が感じるストレスの原因
うちの娘は先ほども書いたように、内弁慶な性格であり、決してメンタルが強いとは言えません。まずはこのメンタルの弱さが大前提にあると思います。
そして、子供からどうして学校に行きたくないのかを聞いてみると、「先生が嫌だ」と。どう嫌なのか聞いてみると、「よく怒る」、「ちゃんと出来ても褒めてくれない」と。
ここに1つの「壁」が存在しました。要するに幼稚園とのギャップです。幼稚園では1クラスが少人数ということもあり、先生のケアが行き届いていましたし、それほど怒ることもなく、出来たらよく褒めてもらっていました。
ところが、小学校になると1クラスの人数は増え、クラスの担任はたまたまですが年配の昔ながらのおばちゃん先生でした。娘はこの先生との相性がよくなかったんですね。私自身も相性がよくなかった(嫌いだった)先生はいましたが、さすがに小学校1年生のときではありませんでした。幼稚園から小学校に上がって最初の先生が、自分と相性が合わない先生だったらそれはストレスになりますよね。
もう一つは、クラスメイトの存在もあります。幼稚園ではだいたい似たような家庭環境の子が多く、問題児と言われる子はいましたが少数でした。
ところが小学校では、様々な家庭環境の子がいるし、幼稚園ではいなかったタイプの子がいたりして、子供にとってはこれもストレスのひとつだったのです。
娘は自分から積極的に遊びに誘うような性格ではないので、最初のうちは新しい友達と楽しく遊ぶことができず、家でそのうっぷんを発散しているようでした。
もう一つ、幼稚園と決定的に異なるのが、1コマ45分の長い退屈な授業があることです。幼稚園では先生や友達と一緒に楽しく遊んだり学んだりしていたのが、小学校になるとイスにじっと座って長い授業を受けなくてはいけないというのがストレスになっていたんでしょう。
これらの要因が複合的に重なり合って、子供は強いストレスを感じていました。
4.子供のストレスを開放するために親がすべきこと
学校で強いストレスを感じていると思われる子供に対しては、親がしっかりとサポートしてあげることが大切です。
居心地のよい空間を提供
大人でもそうですが、ストレスを感じている子供にはそれを開放できる場所が必要です。家では子供にとって居心地のいい空間を作ってあげましょう。
居心地のいい空間とは、ストレスを感じる空間とは真逆の空間です。つまり、多少のことをしても怒られない、いいことをしたら褒めてもらえる、家ではそんな空間を作ってあげるとよいと思います。
子供とのコミュニケーションを大切に
子供の話をよく聞いてあげることです。自分から積極的に学校での出来事を話さないかもしれません。親は学校での出来事が知りたいので、根堀り葉堀り聞きたいかもしれませんが、まずは子供が話せる範囲で構いません。しっかりと耳を傾けていると子供も安心して、もっと深く話してくれるようになります。
子供とのコミュニケーションで大事なのは、子供の話を否定しないということです。間違っている場合は訂正することはあるかもしれませんが、基本は否定しない。否定されるとまたストレスになります。
最後に
メンタル面での「小1の壁」に対しては、親によるサポートが大切です。特別に何かするというよりは、前述した居心地のよい空間をつくってあげること、子供としっかりとコミュニケーションをすることを実践してみてください。これだけで子供は安心して、学校でのストレスを和らげることができます。
そして、あとは「慣れ」です。子供が小学校の環境に慣れるまで待ちましょう。個人差はありますが、先生、授業、クラスメイトに次第に慣れてきます。
うちの娘も、いまだ先生には慣れていませんが、仲の良い友達が出来始めてから、学校に一人で行けるようになりました。
小1の壁は必ず乗り越えられます!