よく人のブログなんかを見ていると、本文の下にある関連記事の中に混じって「広告」があります。通常のアドセンス広告とは違って、関連記事の中に自然に溶け込んでいますので、ユーザーも自然とクリックしてしまうのです。私も他の人のブログで何度かクリックしたことがあります。
これは別に裏ワザでもなんでもなくて、グーグルが提供する関連コンテンツユニットと呼ばれる無料のサービスなのです。
グーグルはユーザーの動向を把握して最適な広告を配信しますし、サイト運営者にとっては収益アップにつながる素晴らしいサービスです。
ただこのサービスはサイト運営者であれば誰でも利用できるものではなく、利用するには一定の条件が必要となります。
それでは、この関連コンテンツユニットのメリットや、利用条件、導入後の効果などについて、説明していきます。
1.関連コンテンツユニットとは
グーグルのAdSenseヘルプによると、
関連コンテンツは、サイトを閲覧しているユーザーに向けてサイト内の関連コンテンツを簡単に宣伝できる無料サービスです。ユーザーにとって関連性が高いコンテンツが増えるので、サイトのページビュー数や滞在時間、ユーザーのリピート率、広告表示回数が向上し、広告収益の増加が見込めます。
要するに、読者が見ているページと関連性のある記事をグーグルが無料で表示してあげますよ、それによってより多くの記事を読んでもらえるので、広告収入が増える可能性が高まりますよ、ということです。
関連記事を表示するだけなら、「WordPress Related Post」といったワードプレスの有名なプラグインなどがあります。
しかし、この関連コンテンツユニットの最大の特徴は、関連記事の中に溶け込むように広告を入れられることです。その広告もグーグルの方でユーザーのニーズに合わせた広告を3つほど配信してくれます。
通常のアドセンス広告を3~4つほど配置しているかと思いますが、それにプラスアルファで広告表示できますので、広告収入の増加が期待できるというわけです。
2.メリットとデメリット
2-1.メリット
グーグルのAdSenseヘルプによると、
おすすめの関連コンテンツはトピックの類似性に基づいており、個々のユーザーに合わせてカスタマイズされます。テストの結果によると、平均的なおすすめの関連コンテンツでページビュー数が 9%、滞在時間が 10% 向上します。
ユーザー側のメリットとして、今見ている記事に関連性のある記事が、ユーザーごとによって最適なおすすめ記事として表示されることでしょう。もっと情報が欲しい場合に、ユーザーの満足度がアップします。
ユーザーがサイト内を回遊してくれれば、PVも伸びますし、その分滞在時間も伸びます。グーグルが計測した結果だと、PVが9%、滞在時間が10%伸びたということです。
ただし、導入してすぐは、あまり関連性がないと思われる記事が表示されることがあります。時間がたてば精度は上がってきますので、心配はありません。
PVや滞在時間の向上により、通常のアドセンス広告のクリック率が高まるとともに、関連コンテンツユニットの中にプラスアルファで追加された広告がクリックされる確率が高まります。
つまりは、収益向上につながるということです。
2-2.デメリット
関連コンテンツユニットを導入することによって不利になるということはちょっと思いつきません。
ただ、弱点としてはカスタマイズ性が低いことが挙げられます。
簡単に変更できるのは、タイトルのフォント、フォントの色、背景の色、そして関連コンテンツのサイズ(レスポンシブかカスタムサイズか)くらいです。
ワードプレスでは、関連記事を表示する「WordPress Related Post」という有名なプラグインがありますが、これは非常にカスタマイズ性に優れていて、使い勝手がよかった分、少し物足りない気がしますね。
3.利用条件
グーグルのAdSenseヘルプによると、
関連コンテンツは、特定の要件を満たすサイト運営者様のみご利用いただけます。ご利用になるには、サイトのトラフィック量とページ数が最低要件を満たしている必要があります。この要件は、関連コンテンツによってサイトのユーザーに確実に優れたエクスペリエンスをお届けするために設けられています。
利用できる条件をまとめると、
・一定程度のアクセス数(トラフィック量)があること
・一定量の記事数があること
これらを満たせば利用できるわけですが、いったいどの程度なのか明言していません。
いろいろネットで調べてみても、サイトによってまちまちです。例を挙げてみますと、
・500~1,000PV/日、15,000~30,000PV/月、100記事
・30,000PV/月、150記事
・1,000PV/日、30,000PV/月、95記事
また、こんな見解もありました。
・アクセスは安定している必要がある。たまたまバズった記事があるだけではだめ。
・20~30記事くらいでアクセス数がたくさんあるミニサイトのような場合もだめで、アクセス数と記事数は両方一定数を満たしている必要がある。
・特化型ブログの方が解放されやすい。(利用条件を満たしやすい)
・一定の期間ブログを運営している必要があるのではないか。
ちなみに、私の雑記ブログでは、
・ブログ開設から7カ月後
・1,000~1,500PV/日、約30,000PV/月
・記事数199
で利用できるようになりました。ひとつの参考としてください。
利用できるようになると、メールでお知らせが来ます。といっても、「関連コンテンツユニットが利用できるようになりました」というようなタイトルではありません。
毎月下旬にくる「[○月のまとめ] 今月の広告収益は+○○%(-○○%)でした」というお知らせメールを見ると、以下のような案内があります。
なお、利用できるようになっても、AdSenseヘルプによると、
サイトで広告収益があまり上がっていない場合は、[広告で収益化] がオンになっていても、関連コンテンツ ユニットには広告が表示されません。
もともとのアドセンス広告で収益がないと、関連コンテンツユニットに広告を表示しないよ!ということです。
利用条件をまとめると、
アクセス数と記事数が最低要件を満たしていない | →利用できない |
アクセス数と記事数の両方が一定数ある (目安:1,000PV超/日、30,000PV超/月、100~200記事) | →利用できる |
アクセス数と記事数の両方が一定数あり、アドセンスの広告収益が上がっている | →関連コンテンツの間に広告を表示できる |
4.効果
まだ導入して2日しか経っていませんが、いきなり成果を上げています。
PV数は若干増えましたが週末効果かもしれませんので、関連コンテンツユニットのおかげかどうかは分かりません。
滞在時間はほとんど変化ないです。
もともと、プラグイン「WordPress Related Post」で関連記事を表示していましたので、この辺りはそれほど変化はありませんでした。
最も効果があったのは広告収益です。
導入してから2日間の平均収益でみると、
・導入前日と比べると、3.2倍
・導入前1週間の平均と比べると、1.7倍(70%増)
導入前日が1週間の中で一番収益が低かったため、より効果が大きいと感じました。目に見える成果は嬉しいものですね。
また、1日の全体収益に占める関連コンテンツの広告による収益をみると、
【関連コンテンツの広告による収益/1日の全体収益】
・導入1日目:約47%
・導入2日目:約39%
・2日間平均:約43%
関連コンテンツの広告による収益がめちゃくちゃ高いことが分かります。
今後はこれが収益の柱になっていくと思います。
まとめ
関連コンテンツユニットは、サイト運営者にとっても、ユーザーにとっても素晴らしいサービスだと思います。
利用条件がありますので誰でも導入できるわけではありませんが、利用条件を満たした場合は迷わず導入することをおすすめします。
私は利用できるようになったことに10日ほど気付きませんでしたので、グーグルからくるメールは注意して見ておきしょう。
➡関連コンテンツユニットをワードプレスの無料テーマSimplicity2で簡単に設置する方法はこちらの記事をご覧ください。