ソフトバンクの「おうちのでんわ」というサービスですが、うまく活用すれば毎月の料金を大幅に下げることができます。契約者がソフトバンクのスマホやケータイなどユーザーであれば、「でんわまとめて割」が適用されて月額540円(税込)の基本料金で「おうちのでんわ」を利用できます。(通話料は別途かかりますが、NTTよりも安いです)
しかし、注意事項をよく読まずに契約すると、とんでもなく面倒くさいことに巻き込まれますので、契約する際には料金の安さだけに捉われず、自分の現在の使用状況から総合的に判断する必要があります。
そこで、ADSLを契約していた私の家で、「おうちのでんわ」に変えたらインターネットが使えなくなったという実例から、「おうちのでんわ」を契約する際のデメリット・注意事項を6つご紹介したいと思います。
1.「おうちのでんわ」を契約する前に
1-1.パンフレット等をよく読むこと
「おうちのでんわ」に限らずなんでもそうなんですが、パンフレットはよく読んだ方がいいです。安さや特典などメリットが大きく書かれていますが、注意事項もちゃんと書いてあります。
あとから文句を言っても、パンフレットにちゃんと書いてありますよと言われたら、「ぐぬぬ~」となってしまいますよ。
1-2.店員に現在の電話の使用状況を的確に伝えること
ADSLを契約している、ホームセキュリティを利用しているなど、できるだけ細かく伝えた方がよいです。いまいちよく分からないときは慌てて契約する必要はありませんので、一度帰宅したあとしっかりと確認しましょう。
1-3.不明なことはしっかり確認すること
聞くのはタダです。不明なまま契約して、後から面倒くさいトラブルに巻き込まれないよう、事前にモヤモヤを解消し、納得した上で契約するようにしましょう。
2.デメリット・注意事項9選
①ADSL契約者はインターネットが使えなくなる
まず、うちの実体験を簡単にご紹介します。
うちは2世帯なんですが、固定電話の契約は親名義になっています。そして親のみソフトバンク携帯を利用しています。親が携帯電話の故障でソフトバンクの代理店を訪れた際に、この「おうちのでんわ」を勧められ、そんなに安くなるならとその場で契約をして帰ってきました。
ところがある日を境にインターネットが利用できなくなってしまいました。事情を知らない私は、プロバイダのヘルプに電話したりしながら解決策を探りましたが、親の『そういえば最近「おうちのでんわ」をいうのを契約した』という言葉を聞き、やっと原因が判明しました。うちのインターネットはADSLだったのです。
そして、同じ電話番号を引き継いで「おうちのでんわ」に切り替えると、NTT回線を利用していたADSLは使えなくなるのです。
なぜ使えなくなるのかというと、「おうちのでんわ」は専用のユニットと電話をつなぐだけで利用でき、NTTからの切り替えの際に、NTTの回線を休止してしまうからなんですね。
参考までに、私の家ではその後どうしたかですが、「おうちのでんわ」も残しつつ、これを機に「ソフトバンク光」に乗り換えました。その苦難の道のりを記事にまとめてありますので、興味ある方はどうぞ。
②番号ポータビリティも可だが、2,160円かかる
これまでNTTの電話を使っていて、「おうちのでんわ」に変えようとする場合、上でも少し触れましたが、同じ電話番号を引き継ぐことができます。「おうちのでんわ」にしても以前と同じ電話番号のまま利用できます。これを番号ポータビリティといいます。
ただし、そのためには番号継続登録料として2,160円(税込)かかりますのでご注意ください。最初の料金請求の際に一緒に請求されます。
③ソフトバンク・ワイモバイルユーザーでなくなると月額980円に
「おうちのでんわ」の基本月額は980円です。
ただし、ソフトバンクユーザー、ワイモバイルユーザーが「おうちのでんわ」を申し込む場合には、「でんわまとめて割」が適用されて月額540円(税込)になります。
契約前には、自分がソフトバンクユーザー等で、「でんわまとめて割」の適用があるのかをしっかり確認しておきましょう。
なお、「でんわまとめて割」は、ソフトバンクのスマホなどの契約者と「おうちのでんわ」の契約者が同一である場合のみ適用されます。ソフトバンク光の「お得割」のように親族でもよいというわけではありません。
また、スマホやケータイをソフトバンクからドコモやauに乗り換えたりすると、「でんわまとめて割」の適用が外れ、月額が980円に上がるということを覚えておきましょう。
④場所によってはつながらない
おうちのでんわはアナログ回線でも光回線でもなく、携帯電話と同じ4G回線を利用しています。そのため、工事が不要で、電波さえ届けば家のどこでも利用可能というメリットはあります。
ただし、地下や高層階など電波が届かない場所では利用できません。また、電波は届くけども使用場所の電波状況によってはつながらないという事態もあるようです。
代理店で事前に住所での電波状況の確認はタブレット上でしてくれますが、事前に機器を借りて本当に繋がるかどうかを調べることはできません。(携帯電話と同じ回線なので、携帯電話がつながるところであれば大丈夫だとは思いますが)
⑤3年縛りでユニット割賦払い
「おうちのでんわ」の専用ユニットは、レンタルではなく購入という形になります。
16,470円を3年かけて月々465円を割賦払いしていくんですが、月々465円割り引かれますので、3年経てば無料で手に入ります。
逆に、3年以内に途中解約すると、残額が請求されます。
残額=16,470円-(465円×利用月数)
⑥FAXは使えるが安定感に不安
「おうちのでんわ」でもFAXを利用することはできます。ただし、FAXの機種や通信状況などによって、正常に送受信できない場合もあるそうです。
うちでは今のところ1か月ほど経過した段階ですが、問題は全くありません。
なお、FAXの受信は特に何も問題はありませんが、送信する場合は頭に「0009」を付けないと送れませんので注意が必要です。
⑦緊急通報の場合の注意事項
通常の電話では相手方に表示される電話番号は、例えば東京なら03から始まる番号となります。
一方、緊急通報で「おうちのでんわ」から110番(警察)、118番(海上保安本部)、119番(消防)へかけた場合、070、080、090で始まる緊急通報専用電話番号と、おおよその発信場所が発信先に通知されます。必ず口頭でも住所を伝えるようにしてください。
※緊急通報専用電話番号は、同梱されるシールに記載されています。
また、緊急通報の場合は、相手方の呼び出し音が鳴るまでに10秒くらいかかります。
⑧有料オプションサービスは個別に契約するな!
有料オプションサービスとして、以下のものがあります。
オプション名 | 月額(税抜) |
番号表示 | 400円 |
キャッチ電話 | 300円 |
着信転送 | 500円 |
番号通知リクエスト | 200円 |
これらを全部付ける人は今時どのくらいいるか分かりませんが、1つずつ付けるのはもったいないです。オプションを付けたい人は、以下のプランを検討してみましょう。
「おうちのでんわ」+「好きなオプション2つまで」=月額780円(税抜)
また、「おうちのでんわ」契約後に、オプションサービスを申し込む場合、申し込みオプションごとに1,000円の登録料がかかりますので注意しましょう。
⑨利用できなくなるサービスがある
以下のサービスを利用している場合は、「おうちのでんわ」にすると利用できなくなります。
ガスの安心システム | ガスの消し忘れ時の緊急連絡や、外出先からガスの消し忘れ確認を行うシステムが作動しなくなる。 |
緊急通報システム | 通報ボタンを押すだけで緊急機関に連絡される装置が作動しなくなる。 |
ホームエレベーター | 一般家庭用エレベーター内の外部連絡用電話機が利用できなくなる。 |
ホームセキュリティ | 住宅への侵入を感知すると警報を鳴らし、連絡先へ自動通報するシステムが作動しなくなる。 |
ホームテレホン | 二世帯住宅などで複数電話機を専用装置に接続して利用中の場合は、電話機の複数接続には対応していない。 |
ドアホン | 玄関のインターホンで電話機を呼び出す装置に接続して利用中の場合は、電話機以外の機器の接続には対応していない。 |
まとめ
念のため言っておくと、「おうちのでんわ」を否定しているわけでは全然ありません。私の家の失敗談から、デメリットや注意事項などもしっかりと押さえた上で契約した方が後々困りませんので、ご紹介させていただきました。
もう一度デメリットや注意事項を9つ以下にまとめておきます。
- ADSL契約者はインターネットが使えなくなる
- 番号ポータビリティも可だが、2,160円かかる
- ソフトバンク・ワイモバイルユーザーでなくなると月額980円に
- 場所によってはつながらない
- 3年縛りでユニット割賦払い
- FAXは使えるが安定感に不安
- 緊急通報の場合の注意事項
- 有料オプションサービスは個別に契約するな!
- 利用できなくなるサービスがある
「おうちのでんわ」は回線工事もないし、費用も安いため、光回線を契約しなくても気軽に固定電話を持てる選択肢が増えたと思います。
「おうちのでんわ」を検討する上でのヒントになれば幸いです。