原因と理由の違いを具体的に説明しようとするとなかなか難しいですよね。
また、要因なんて言葉もあります。
これらを入れ替えても意味が通じることがありますが、なんとなく違和感を覚えるのは適切な使い方ができていないからでしょう。
分かりやすい例として、
「東大に落ちた」○○
「東大に受かった」○○
という例文を使って、原因・理由・要因の違いを説明していきます。
原因・理由・要因の意味と使い方(例文つき)
「原因」の意味と使い方
ある物事や、ある状態・変化を引き起こすもとになること。また、その事柄。
デジタル大辞泉
(例文)
- 交通事故の原因を突きとめる。
- 原因不明の腹痛
結果に対して、そのもととなるのが原因。
例文を見てわかるように、マイナスの結果に対して使われるのが一般的です。
「東大に受かった原因は、毎日10時間勉強したことです。」とは言わないですよね。
「理由」の意味と使い方
なぜそうなったかという筋道。また、なぜそうするかという根拠。わけ。事情。
大辞林第三版
(例文)
- ダイエットをする理由は、モテたいから。
- 体調不良を理由に早退した。
・東大に落ちた理由は、もともと才能がなかったからだ。
・東大に受かった理由は、運以外に考えられない。
前述の「原因」はマイナスの結果に対して使われることが一般的でしたが、「理由」はマイナス、プラスどちらの場面でも使うことができます。例文をみても、特に違和感ないですよね。
また、例文の「ダイエットをする理由は、モテたいから」は、”何かをすることに対しての根拠”という意味合いになります。
「体調不良を理由に早退した」は、”事情”という意味合いになります。
このように、「原因」よりも幅広く使うことができますので、悩んだ時には「理由」を使っておけば無難かと思います。
「要因」の意味と使い方
物事がそうなった主要な原因。
デジタル大辞泉
(例文)
- 事件の要因は、隣人トラブルだった。
- 業績アップの要因としては、社員の意識改革が考えられる。
「要因」は英語に訳すと、「a primary factor」あるいは「a main cause」となります。
「cause」は「原因」という意味ですので、主な原因ということが分かりますね。
主な原因は一つとは限りませんので、3つある原因のうち2つが要因となることもあります。
「要因」は「原因」と違って、例文にあるようにプラスの場面でも使うことができますが、ちょっと堅苦しい印象も受けますので、場面によって使い分けるといいでしょう。
例えば、通常の会話では「理由」や「原因」を使って、何かを分析するレポートや論文などでは「要因」を使うといった感じですね。
原因・理由・要因の違い一覧表
比較しやすいように、一覧表にしました。
原因 | 理由 | 要因 | |
意味 | ある物事や、ある状態・変化を引き起こすもとになること。また、その事柄。 | なぜそうなったかという筋道。また、なぜそうするかという根拠。わけ。事情。 | 物事がそうなった主要な原因。 |
例文 | ・交通事故の原因を突きとめる。 ・原因不明の腹痛 | ・ダイエットをする理由は、モテたいから。 ・体調不良を理由に早退した。 | ・事件の要因は、隣人トラブルだった。 ・業績アップの要因としては、社員の意識改革が考えられる |
特徴 | ・マイナスの結果に対して使われる
| ・マイナス・プラスどちらの場面でも使われる ・何かをすることに対する根拠という意味もある | ・マイナス・プラスどちらの場面でも使われる ・レポート等の文書で使われることが多い |
まとめ
以上を参考に、もっとも違和感のない言葉を選択されるとよいと思います。
マイナス(悪い)の結果の場合は、「原因」を使うのが自然でしょうし、
もし使い方に迷った場合は無難な「理由」を使うとよいでしょうし、
文章で完結にまとめたいときは「要因」を使うといったように、
場面に応じて、適切に使えるといいですね。
参考になれば幸いです。