長野県長野市が誇る国宝、「善光寺」は多くの人が知る人気観光スポットですよね。
その善光寺と並んで、両方お詣りしなければ片詣りと言われるお寺が飯田市にある「元善光寺」です。
長野県の北(北信州・長野)と南(南信州・飯田)、距離にして約160キロ離れていますが、善光寺ファンなら両方お参りしている人も多いのではないでしょうか。
今回は、飯田市にある元善光寺にスポットを当てて、その由来、魅力・見どころ、混雑時期などについてまとめてみました。
ご参考になれば幸いです。
1.名前の由来
元善光寺というくらいなので、善光寺に関係がありそうなことは分かりますよね昔は飯田市に善光寺があって長野市に移転したの?と思われる方がいるかもしれませんが、違います!
簡単に言うと、長野市の善光寺の御本尊が最初に祀られたお寺なので、元善光寺と呼ばれるようになったそうです。
この地は古くは麻績の里(おみのさと)と呼ばれていました。
その住人であった本多善光(よしみつ)が国司のお供で都に上った際に、難波の堀(今の大阪市)で見つけて持ち帰った阿弥陀如来像を自宅の臼の上で安置していました。
ところが、642年に阿弥陀如来のお告げにより、御本尊が芋井の里(現在の長野市)に遷座され、建てられたお寺が本多善光の名をとって善光寺と名付けられました。
そこで、元々御本尊があったこの場所を元善光寺と呼ぶようになりました。
こういう経緯を知っているとまた違った思いを持ってお参りができますね。
2.魅力と見どころ7選
①建物・境内
長野市の善光寺に比べて規模は格段に小さいです。こじんまりとした印象です。
ですが、そのこじんまりとした境内が親しみやすい雰囲気を感じさせてくれます。
正面の階段を上ると見える現在の本堂は寛政9(1797)年に建立されたもので、歴史を感じる建物ですので、一見の価値ありです。
②お戒壇巡り
また、善光寺と同様「お戒壇巡り」があり、本堂右脇にある階段を下りて、本堂の下を歩くことができます。
真っ暗で何も見えませんので、手すりにつかまりながら歩いていきます。御本尊の真下にある鍵前に触れることができれば御利益があると言われています。
無料で体験できますので、元善光寺に行かれた際は是非やってみてください。
なお、年末年始は混雑防止のため、お戒壇巡りはやっていないので注意してくださいね。
③宝物殿(ほうもつでん)
由来のところでも少しご紹介しましたが、本多善光は持ち帰った阿弥陀如来像を自宅の臼の上で41年間安置していたところ、その臼から光明が輝いたということから、それを「坐光の臼」と呼び元善光寺の霊宝とされています。
写真:元善光寺HPより
その坐光の臼をはじめ、仏像や掛け軸など約80点余りが展示・公開されています。
拝観料は大人200円、小人150円となっています。
④説法
元善光寺の住職さんの説法が面白いと人気を集めています。この説法を聞くために元善光寺を訪れる観光客もいるそうですよ。
⑤善光寺だけでは片詣り
御本尊が善光寺に移られるときに、お告げにより「毎月半ば十五日間は必ずこの麻績の里に帰り来て衆生を化益せん」との御請願を残されたことから、「善光寺だけでは片詣り」と言われています。
善光寺に行かれた方は元善光寺に、元善光寺に行かれた方は善光寺にも行かれると本当の意味で善光寺をお参りしたと言えるのではないでしょうか。
⑥桜の季節の元善光寺
元善光寺の近くには、麻績の里の舞台桜と呼ばれる桜の名所があります。樹齢350年の桜の迫力を堪能してください。
元善光寺からは遊歩道でつながっていますし、ちゃんと案内看板もありますので安心して行けます。
写真:飯田市HPより
⑦座光寺まんじゅう
この地は座光寺と呼ばれており、座光寺といえばまんじゅうというくらい有名なお土産品です。
創業100年を超える老舗まんじゅう屋さんが元善光寺の目の前にありますので、是非ご賞味あれ。
3.混雑時期
大みそか、初詣
大みそかの除夜の鐘、初詣の3が日は大変混雑します。混雑を避けたい方は、早朝に初詣に行くなど時間をずらしていくとよいと思います。
桜の季節
麻績神社春まつり(4月初旬の日曜)や、地元主催の麻績の里桜まつり(4月初旬の土日)の日をはじめ、桜が開花している時期は混雑しますので、車で行かれる方はご注意ください。
4.あわせていきたいところ
竹田扇之助記念 国際糸操り人形館
元善光寺のすぐ近くにあります。
糸操り人形をご存じない方でも、実際に糸操り人形を使って体験できますので、行ってみると意外と面白いですよ。
人形劇フェスティバル
飯田市は人形劇のまちとして有名です。毎年8月頃に飯田市全体で人形劇フェスティバルが開催されます。まちのあちらこちらでプロ・アマの人形劇団の公演をみることができますよ。
昼神温泉郷
南信州に位置する、静かな山間の温泉郷です。元善光寺からは車で30分ほどで行けます。アルカリ性が強く美肌の湯としても評判が高いところです。大小多くの旅館が連なり、何度も訪れたくなる温泉郷ですね。
写真:昼神温泉公式観光サイトより
アクセス
名古屋方面からのアクセスについては、「元善光寺(飯田)へ名古屋方面からアクセスする3つの方法と注意点」で所要時間順、金額順に詳しくご紹介していますので、ご覧ください。
まとめ
元善光寺の知名度はそれほど高くはありませんが、善光寺に行かれる方は一度はお参りしたいお寺ですね。
普段は混んでいないので、ゆっくりと落ち着いた気持ちになれる場所だと思います。
それでは。