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努めると務めるの違い・使い方|ビジネス例文付きで徹底解説

「安全確保に努める」と「議長を務める」——どちらも「つとめる」と読むにもかかわらず、漢字が異なります。ビジネス文書・メール・報告書でこの2語を書き間違えると、読み手に不信感を与えることがあります。本記事では意味の違いを整理し、正しい使い方を例文とともに確認していきます。

目次

努めると務めるの違い|比較表

項目 努める 務める
読み つとめる つとめる
コア意味 懸命に取り組む・努力する 役目・職務・役割を果たす
品詞 動詞 動詞
対になる名詞 努力・尽力 任務・職務・役目
典型的な目的語 改善・向上・安全確保 など 議長・司会・主役・担当 など
代替表現 尽力する・励む・取り組む 担当する・担う・役を果たす

「努める」の意味と使い方

「努める」は、ある目的に向かって力を尽くして取り組むという意思・姿勢を表します。主語は人間であり、努力の方向性(何に向かって努力するのか)が目的語として示されることが多いです。目的語の後に「〜に努める」「〜に努めてまいります」の形をとるのが典型的な用法です。

漢字の「努」は「力を出す」「奮励する」というニュアンスを持ちます。公文書や行政文書では「〜に努めるものとする」という義務的表現としても頻出します。

【ビジネス例文】

  • 品質のさらなる向上に努める所存でございます。
  • お客様の満足度を高めるべく、日々努めております。
  • 業務効率の改善に努め、コスト削減を実現しました。
  • 安全管理の徹底に努めるよう、全スタッフへ周知しました。
  • 貴社のご期待に応えられるよう、誠心誠意努めてまいります。

いずれの例文でも、主語が何らかの目標に向けて継続的・能動的に力を注ぐ様子が共通しています。「〜を達成する」という結果ではなく、「〜に向けて取り組む」というプロセス・姿勢を表している点が重要です。

「務める」の意味と使い方

「務める」は、特定の役割・役目・職務を担い、その責任を果たすという意味です。「誰かが何らかのポジションや役目に就いている」という客観的な事実を述べる場面で使います。

漢字の「務」は「職務・任務」という意味を持ちます。「議長を務める」「司会を務める」「主役を務める」のように、具体的な役割名が目的語になることが特徴です。

【ビジネス例文】

  • 弊社代表として10年間、取締役を務めております。
  • 本日の会議では、田中部長が議長を務めます
  • 山田氏はプロジェクトマネージャーを務める予定です。
  • 昨年度のキックオフ会議では、私が司会を務めました
  • 彼女は入社3年目にして営業リーダーを務めている。

「役目(役名)+を+務める」という語順が定形です。この「を」格の目的語が役職・役割名であれば、ほぼ例外なく「務める」が正解です。

注意点・よくある間違い

ビジネス文書で最も多い誤りのパターンをまとめます。

パターン1:役職名の後に「努める」を使う
誤:「部長を努める山田です」
正:「部長を務める山田です」
→ 役職・役割名が目的語のときは「務める」一択。

パターン2:努力・取り組みの場面に「務める」を使う
誤:「品質改善に務めてまいります」
正:「品質改善に努めてまいります」
→ 何かに向かって力を注ぐ文脈は「努める」。

パターン3:「勤める」との混同
「勤める」(働く・在職する)もあわせて存在します。「会社に勤める」のように、職場・組織への所属を表すときは「勤める」を使います。「努める」「務める」「勤める」の3語はそれぞれ別の意味を持つため、目的語の種類で判断するのが最短の方法です。

使い分けチャート|どちらを使えばよいか

▼「つとめる」の漢字選択フロー

① 目的語が「役職名・役割名・役目」か?
 → YES → 務める(例:議長を務める)
 → NO  ↓

② 「〜に向かって努力する・取り組む」という意味か?
 → YES → 努める(例:品質向上に努める)
 → NO  ↓

③ 職場・組織に所属している意味か?
 → YES → 勤める(例:銀行に勤める)

【簡易判定】「を」の前が役職名・役割名なら「務める」、「に」の前が目標・課題なら「努める」と覚えると実務で迷いにくい。

努めると務めるの違いに関するまとめ

「努める」は目標や課題に向けて力を尽くす姿勢・プロセスを表し、「品質向上に努める」「安全確保に努める」のように使います。
「務める」は役職・役割・役目を担って果たすという意味で、「議長を務める」「司会を務める」のように役割名を目的語にとります。
判断の近道は目的語の種類を確認すること。役職名が来るなら「務める」、努力の方向が来るなら「努める」と押さえておくと、ビジネス文書での書き間違いをほぼ防ぐことができます。

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