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モデム・ルーター・ハブの違いとは?役割・機能・選び方を徹底比較

自宅や職場のネットワーク環境を整えようとしたとき、「モデム」「ルーター」「ハブ」という3つの機器の名前が必ず登場します。
家電量販店やネット通販でも並んで販売されていますが、それぞれ担っている役割はまったく異なります。
この記事では、3つの機器の違いを比較表・具体例・判断フローを用いて体系的に整理します。
どの機器が自分の用途に必要かを判断する際の参考にしてください。

目次

モデム・ルーター・ハブの違い一覧比較表

項目 モデム ルーター ハブ
主な役割 回線信号をデジタルデータに変換してインターネットに接続する 複数機器に対してIPアドレスを割り振りネットワークを分配する 有線LANポートを増設して複数機器を同一ネットワークに接続する
接続先 プロバイダー(ISP)の回線 モデムとLAN内の各端末 ルーターとLAN内の各端末
同時接続台数 通常1台のみ(ルーターへ渡す) 複数台(有線+無線) ポート数分(4〜24ポートが一般的)
IPアドレス管理 なし(グローバルIPを受け取るのみ) あり(DHCPでプライベートIPを配布) なし(信号を中継するだけ)
Wi-Fi機能 なし(一部機種は複合型あり) あり(無線ルーターの場合) なし
セキュリティ機能 ほぼなし NAT・ファイアウォール機能あり ほぼなし
一般的な設置場所 回線の引き込み口(ONU・電話回線の近く) モデムの直後・部屋の中央付近 ルーターのLANポートの先
価格帯の目安 3,000円〜15,000円程度 3,000円〜30,000円以上 1,500円〜10,000円程度

モデムとは何か:インターネット回線の入り口となる機器

モデム(Modem)は、プロバイダー(インターネットサービスプロバイダー)から届く回線信号を、
コンピューターが扱えるデジタルデータに変換する機器です。
「変調(MOdulate)」と「復調(DEModulate)」の頭文字を組み合わせた名称が語源となっています。

光回線の場合は「ONU(光回線終端装置)」が同等の役割を担い、
モデムと呼ばれないケースもありますが、機能的には同じ位置づけです。
CATV(ケーブルテレビ)回線ではケーブルモデム、ADSL回線ではADSLモデムが使われてきました。

モデムが接続できる端末は基本的に1台だけです。
複数の端末をインターネットに接続するためには、モデムの後段にルーターを設置する必要があります。
なお、プロバイダーからレンタルされる機器の中には、モデムとルーターが一体化した「モデム内蔵型ルーター」も多く、
その場合は別途ルーターを購入しなくても複数台接続が可能です。

【モデムの具体的な使用例】

フレッツ光(NTT)の光回線を契約した場合、NTTがONUを設置します。
そのONUにLANケーブルでルーターをつなぎ、その先にパソコンやスマートフォンを接続するのが標準的な構成です。

ルーターとは何か:ネットワークを分配・管理する機器

ルーター(Router)は、モデムやONUから受け取ったインターネット接続を複数の端末に分配し、
各端末にプライベートIPアドレスを割り当てる機器です。
「Route(経路)」を管理することが名称の由来です。

ルーターが持つ主要な機能は3つあります。

1つ目はDHCP(動的ホスト設定プロトコル)機能です。
接続された各端末に対して自動的にIPアドレスを配布し、端末同士が通信できる環境を整えます。
手動でIPアドレスを設定しなくても、LANケーブルをつないだりWi-Fiに接続したりするだけで使い始められる理由は、このDHCP機能が働いているためです。

2つ目はNAT(ネットワークアドレス変換)機能です。
プロバイダーから割り当てられるグローバルIPアドレスは1つですが、
NATによって複数台の端末が1つのグローバルIPを共有してインターネットに接続できます。

3つ目はファイアウォール機能です。
外部から家庭内ネットワークへの不正アクセスを遮断し、
セキュリティの基本的な防壁として機能します。

現在市販されているルーターの多くはWi-Fi(無線LAN)機能を搭載した「無線ルーター」です。
Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)対応モデルが主流になりつつあり、
多数の端末を同時に接続しても速度が落ちにくい特性を持っています。

【ルーターの具体的な使用例】

自宅に光回線を引いた後、ONUにルーターを接続します。
パソコン・スマートフォン・タブレット・スマートテレビの4台を同時にインターネット接続する場合、
ルーターがそれぞれの端末にIPアドレスを割り振り、すべての通信を管理します。

ハブとは何か:有線LANポートを増設する機器

ハブ(Hub)は、ルーターのLANポートが不足している場合に、
接続口(ポート)の数を増やすための機器です。
自転車の車輪の中心(ハブ)から多数のスポークが伸びる形状に似ていることから、この名前が付いています。

ハブには大きく分けて2種類あります。

スイッチングハブ(スイッチ)は、データの送信先MACアドレスを識別して
必要なポートにだけデータを転送する賢い中継器です。
現在一般家庭や企業で使われているハブのほとんどはこのスイッチングハブです。

リピーターハブは、受け取ったデータをすべてのポートに送信する旧式の機器で、
現在はほぼ市場に流通していません。

ハブ自体にはルーティング機能やDHCP機能がありません。
IPアドレスの管理はルーターが行い、ハブはあくまで物理的な接続ポートを増やすための役割に特化しています。
したがって、ハブだけをインターネット回線に接続してもインターネットには繋がりません。

【ハブの具体的な使用例】

書斎にルーターのLANポートが4つあるが、デスクトップPC・NAS・ゲーム機・スマートテレビ・プリンターの5台を
有線接続したい場合、ルーターのLANポート1つに8ポートのスイッチングハブをつなぐことで、
最大8台まで有線接続できるようになります。

注意点・よくある間違い

ネットワーク機器に関しては、実際の購入・設置時に混乱しやすい点がいくつかあります。
事前に把握しておくことでトラブルを回避できます。

間違い1:「ルーターがあればモデムは不要」と考えてしまう
ルーターはあくまでネットワーク内の分配機器です。
インターネット回線に接続するためのモデム(またはONU)は必ず必要です。
ただし、プロバイダーがレンタルする機器がモデム一体型ルーターであれば、
別途ルーターを用意しなくてもよい場合があります。

間違い2:「ハブを追加すれば速度が上がる」と期待してしまう
ハブはポートを増やすだけで、回線速度そのものは変わりません。
インターネットの速度はプロバイダーとの契約内容・回線品質・ルーターの性能に依存します。

間違い3:「Wi-Fiルーターがあればハブは必要ない」と断言してしまう
Wi-Fiルーターでも有線LANポートは2〜4ポート程度しか備えていないことが多いです。
有線接続したい機器が多い場合はハブが必要になります。

間違い4:「モデムとONUは別物」と思い込む
厳密には技術的な仕組みが異なりますが、一般的な使用文脈では
どちらも「回線をLANに変換してくれる機器」として同じ役割を果たします。
光回線ではONUが、ADSL・CATVではモデムが使われると覚えておけば問題ありません。

間違い5:ルーターを二重に接続してしまう(二重NAT問題)
プロバイダーからレンタルされた機器がすでにルーター機能を持っているにもかかわらず、
その下にさらにルーターを接続すると「二重NAT」の状態になります。
この状態ではオンラインゲームや一部のVoIP通話でトラブルが発生しやすくなります。
追加するルーターをアクセスポイントモード(APモード)に設定することで回避できます。

どれを買えばいいか:使い分け判断フロー

Q1. インターネットに新規で接続したいですか?

▼ はい → Q2へ進む
▼ いいえ(社内LAN・家庭内LANの有線ポートを増やしたいだけ) → 「スイッチングハブ」を購入してください

Q2. プロバイダーから提供・レンタルされた機器はありますか?

▼ ない(これから自分で揃える) → Q3へ進む
▼ ある → Q4へ進む

Q3. 回線の種類は何ですか?

▼ 光回線(フレッツ光等) → ONUはNTTが設置。その後段に 「Wi-Fiルーター」 を接続してください
▼ CATV(ケーブルテレビ) → 「ケーブルモデム」+「ルーター」が必要。事業者に確認を
▼ ホームルーター・モバイルWi-Fi → 機器自体がルーター機能を内蔵。追加購入は不要

Q4. プロバイダー提供機器にWi-Fi機能・ルーター機能が搭載されていますか?

▼ ルーター機能あり → そのまま使用可能。有線ポートが足りない場合のみ 「ハブ」 を追加
▼ ルーター機能なし(モデム・ONU単体) → 「Wi-Fiルーター」 を別途購入して接続

Q5.(共通)有線接続したい端末数がルーターの有線ポート数を超えますか?

▼ はい → 「スイッチングハブ」 をルーターのLANポートに接続して増設してください
▼ いいえ → 現在の構成で問題ありません

コピペ用:購入前チェックリスト
□ プロバイダーからの提供機器の型番を確認した
□ 提供機器にルーター機能が含まれるか確認した
□ 有線接続したい端末の台数を数えた
□ Wi-Fiが必要な部屋数・範囲を確認した
□ 二重NATのリスクを避けるためにルーターが重複しないか確認した

モデムとルーターとハブの違いに関するまとめ

モデムはインターネット回線の信号を変換して接続を確立する機器です。ルーターはその接続を複数の端末に分配し、IPアドレスの管理やセキュリティ機能を担います。ハブは有線LANポートを物理的に増やすだけの中継機器で、ルーティング機能は持ちません。
自宅でインターネットを使うなら原則としてモデム(ONU)とルーターが必要です。有線接続する機器が多い場合にハブを追加すると整理しておけば、機器選びで迷うことはなくなります。

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