「BitbucketってCloudとServerがあるけど、どっちを使えばいいの?」——Gitホスティング環境を選定するとき、チームの誰もがこの疑問に直面します。
Atlassianが2024年以降のServer製品のサポート終了を段階的に進めているため、今まさに移行を検討中のチームも増えています。
この記事では、Bitbucket CloudとBitbucket Serverの違いを整理し、どちらを選ぶべきか・どう移行するかの判断材料を提供します。
重要:Bitbucket Serverのサポート終了について
AtlassianはBitbucket Server(オンプレミス版)のサポートを2024年2月15日に終了しました。後継製品は「Bitbucket Data Center」です。新規導入の場合はCloudまたはData Centerから選択します。
Bitbucket CloudとServerの違いを比較表でひと目確認
Bitbucket Cloudの解説——クラウド型Gitホスティングの特徴と使い方
Bitbucket CloudはAtlassianが運営するクラウド型のGitリポジトリサービスです。サーバーの準備ゼロで、アカウント作成後すぐにリポジトリを作成できます。
特にJira CloudやConfluence Cloudを使っているチームとの親和性が高く、コミットとJiraチケットを自動で紐付けたり、Confluenceページから直接コードをプレビューしたりする連携がスムーズです。
Bitbucket Cloudの主な機能
- Bitbucket Pipelines:YAMLで定義するCI/CDが内蔵。別途Jenkinsを用意しなくてよい
- プルリクエスト(PR):コードレビューのワークフローが標準で整っている
- ブランチ保護ルール:特定ブランチへの直接プッシュを禁止できる
- Jira連携:コミットメッセージのチケット番号からJiraタスクへの自動リンク
- Atlassian Access:SSO・SAML認証の一元管理
Bitbucket Cloudが向いているチーム・ケース
- サーバー管理の手間をかけたくない小〜中規模の開発チーム
- Jira Cloud・Confluence Cloudをすでに使っているチーム
- リモートワーク中心でどこからでもアクセスできる環境が必要な場合
- 5名以下の無料枠で始めたいスタートアップ・個人開発者
- CI/CDをシンプルに始めたい場合(Pipelinesを内蔵しているため)
Bitbucket Data Center(旧Server)の解説——オンプレミス型の特徴と使い方
Bitbucket Data Center(旧Bitbucket Server)は、自社のサーバーやプライベートクラウド上にインストールするGitホスティングソリューションです。コードが自社の管理下に置かれるため、セキュリティポリシーが厳しい業種での採用実績があります。
旧Bitbucket Serverとの大きな違いは、複数ノードへの分散配置(クラスタリング)に対応している点です。大規模チームの高可用性要件を満たせます。
Bitbucket Data Centerの主な機能
- クラスタリング:複数ノードで負荷分散し、可用性を高められる
- スマートミラーリング:地理的に分散した拠点でのクローン速度を向上
- 監査ログ:詳細な操作履歴をコンプライアンス対応に活用できる
- カスタムプラグイン:Atlassian Marketplaceの豊富なプラグインを追加できる
- LDAP/Active Directory統合:既存のID基盤と接続できる
Bitbucket Data Centerが向いているチーム・ケース
- ソースコードを社外に置けない金融・防衛・医療・政府系プロジェクト
- 既存のオンプレミスのJira DataCenter・Confluenceと統合したい大企業
- 500名以上の大規模開発チームで高可用性が必要な場合
- 社内ネットワーク内でのみ運用したい閉域ネットワーク環境
- 既存のLDAP・Active Directoryと連携させたい組織
Bitbucket CloudとData Centerの注意点・よくある間違い
- 「旧Serverからの移行先はCloudだけ」という誤解:Data CenterもAtlassianが公式に提供する移行先です。規模や要件次第でCloudよりData Centerが適切なケースもあります。
- 移行時のデータ損失リスク:リポジトリデータ・PRコメント・ブランチ設定などは移行ツール(Atlassian提供の移行アシスタント)でも一部手動対応が必要です。移行前に必ず検証環境でテストしてください。
- PipelinesのビルドMinutes上限:Cloudの無料プランはビルド時間に月50分の上限があります。CI/CD使用量が多いチームは有料プランへの切り替えを見積もりに含めてください。
- プラグインの互換性:ServerとData Centerで使っていたプラグインがCloudでは提供されていない場合があります。移行前にAtlassian Marketplaceで確認が必須です。
- Data Centerのコスト試算ミス:ライセンス費用だけでなく、サーバー調達・運用工数・バックアップ設計のコストも含めて比較しないと、Cloudより割安に見えても実際は高コストになることがあります。
BitbucketのCloudかData Centerかを選ぶ判断フローチャート
使い分け判断フロー
▶ Q1:ソースコードを自社の管理下に置く必要がありますか?(規制・セキュリティポリシー)
├ はい(社外への持ち出し不可) → Bitbucket Data Center(オンプレミス)
└ いいえ → Q2へ
▶ Q2:開発チームのユーザー数は何名ですか?
├ 5名以下 → Bitbucket Cloud(無料プラン)
├ 6〜500名程度 → Q3へ
└ 500名超 → Q4へ
▶ Q3:Jira Cloud・Confluence Cloudをすでに使っていますか?
├ はい → Bitbucket Cloud(シームレス連携)
└ いいえ(オンプレミスのAtlassian製品を使用中) → Bitbucket Data Center
▶ Q4:高可用性(クラスタリング)・スマートミラーリングが必要ですか?
├ はい → Bitbucket Data Center
└ いいえ(管理の手間を減らしたい) → Bitbucket Cloud(Enterprise)
移行を検討中のチームへのポイント
- Bitbucket Server → Cloud:Atlassianの「Cloud移行アシスタント」を使うと工数を削減できます
- Bitbucket Server → Data Center:ほぼ同じ操作感を維持できるため移行負荷は低め
- 移行前にプラグインの互換性・PipelinesのMinutes設定・ユーザー権限の棚卸しを必ず実施してください
BitbucketのCloudとServerの違いに関するまとめ
Bitbucket Cloudはインフラ管理不要で素早く始められるクラウド型のGitホスティングです。
Bitbucket Data Center(旧Server)はオンプレミスで動作し、コードを自社管理下に置けます。
旧Bitbucket Serverは2024年2月にサポートが終了しており、CloudまたはData Centerへの移行が必要です。
選ぶ基準は「データの置き場所」「チーム規模」「既存のAtlassian製品の構成」の3点です。
移行前にはプラグインの互換性確認と検証環境でのテストを忘れずに行ってください。
